研磨くんと私。【HQ】【孤爪研磨】 (ページ8)

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二試合目ページ8

＿＿キーンコーンカーンコーン………

授業が始まる合図がなる。
昨日の今日で少々疲れ気味なAだが、
今日は少しいい気分なのだ。

(そう。課題をしっかりやってきたのだ…!!!!!!)

フフン、と鼻を鳴らすような仕草を見せた後、自分の席に座る。
昨日眠くても頑張ってよかったとしみじみ感じたのだった。

(今日の授業はいつもより楽しかったな…)

そんなことを考えながらお弁当を持って歩く。
お昼休みは空き教室で食べると決めているAは、
ルンルン気分で向かって行った。

「……よし、誰もいない！」

一人で食べる昼食は傍から見たら寂しそうに見えるが
Aは一人で食べるこの静かな時間がささやかな癒しだった。

(そういえば…孤爪くんはどこで食べてるんだろう…)

何故か頭から離れない彼の昼食姿はどんなものなんだろうか。
体の大きいバレー部に囲まれてパンをはむはむ食べる姿を想像して
不意にも笑みが零れてしまった。

「可愛い顔してるもんなぁ…笑」

『…誰が？』

「…え？」

そこに立っていたのは、今ちょうど妄想を繰り広げていた彼だった。

「こ、孤爪くん」

『…うん。……ご飯中ごめんね。』

「いやっ…!!全然大丈夫!!」

(今孤爪くんのご飯食べる姿妄想してたなんて言えない…!!)

「……そういえば孤爪くん、ご飯は？」

『…ああ、ここで食べようかと…思って…』

彼の行動する感じを見て、自由人なんだなと理解するまで時間はかからなかった。
Aは孤爪と一緒に昼食を食べれる嬉しさで頬がゆるゆるだった。

『そういえば…今日は課題忘れなかったんだね……』

「えっ。」

ずっと目を合わせててなかった孤爪の瞳がA捕まえる。

「…えっと、うん…!!!…昨日頑張ったんだ、!!」

『……そうなんだ』

そう言ってふわりと微笑む孤爪に
Aは目を奪われてしまった。

(笑っ……た、…)