２セット目 ページ22
そこにいたのはかつての友人、山口忠と月島蛍だった。
(………そういえば、マネージャーやることになったの言ってなかった…!!)
『……え、音駒のマネかなんかになったの？』
怪訝そうな顔つきで月島が尋ねる。
「そうそう、誘われたから…」
「そうならそうって言ってよ〜！」
「…ごめん忠、忙しくて忘れてた。」
懐かしいような会話が続く。
心を完全に開いているこの二人の前では
何も気にすることなく喋ることができる。
…それにしても。
「…なっつかしいなあ!! 蛍ちゃんも元気してたの？」
そう言った流れで二人に抱きつく。
『…チョット、まだその呼び方なの？いい加減やめてよ、』
「…わ！ んふふ、ほんとに久しぶりだ…この感覚、」
(…抱きつくことには何も言わない当たり変わってないな、笑)
普通の女子高生よりかは身長が高いAでも
月島や山口は見上げるくらいであった。
ここの空間だけ、お花が飛び交うような優しい雰囲気だった。
そんな時間も長くは続かないようで。
「…あー!!!! 俺らの今井さんに何してやがる!!」
通りすがりの山本が大声を上げる。
『…いやいや、これどう見ても僕達が抱きつかれてるだけデショ。』
「とか言ってツッキーも頭に顎乗せてるんじゃん!!」
『…うるさい山口。』
「ごめんツッキー！」
「…2人ともほんと相変わらずだね笑 」
山本の声に気付いたのかぞろぞろと人がよってくる。
「あれ、今井じゃんか！そうか、転校先音駒だったんだな！」
「うおおお！龍！我らがアイドルが帰ってきたぞ！」
「A!!! おかえり……寂しかったぞぉぉぉぉ！」
「菅さんお久しぶりです！…って夕くんたち静かにして笑」
(やばいやばい、人が集まってきちゃった)
「あら、Aちゃんじゃない。久しぶり。
そっちの高校でもマネージャーやってるのね。」
「っ！清子さん！お久しぶりですぅぅぅ!!
烏野と色々違って大変だけどやっぱりマネージャーは楽しいです…!!」
「そうだよね。じゃあ、今日一日よろしく。」
「はい！」
(……久しぶりの清子さん…相変わらずお美しい。)
トントントン、と肩を叩かれる。
驚いて後ろをむくと難しそうな顔をした山本が立っていた。
「…今井さん、ちょっと来てくだせぇ。」
連れていかれた先には音駒バレー部のみんながいた。
どうやらさっきの光景を見て驚いたのだろう。
「…すみません、言ってませんでしたっけ」
「…私、実は」
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作者名：百。 | 作成日時：2020年7月5日 18時
