検索窓
今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:55,888 hit

記憶29 ページ32

無一郎サイド

もし兄さんが僕と同じことをしていたら、Aちゃんはどんな反応をしていたんだろうか…。


喜んだり嬉しがったりしたのかな…。



僕は昔、彼女に尋ねたことがある。



"僕と兄さん、どっちの方が好き?"


"…私は二人とも大好きだから、選べないよ。"



きっと彼女は優しいから、僕に気を使ってそう答えたんだろう。

だけどその優しさが、かえって辛かった。


僕は、彼女が兄さんを好きだと知っていたから…。


今思えば、僕はいつも蚊帳の外だった。


兄さんと自分は同い年だけど、彼女の接し方はまるで違った。

兄さんには対等なのに、僕には年下扱い…。


あの頃は確かに兄さんより幼かった。

でも、今はそんなことないのに…。


僕だってAちゃんのことを支えられるのに。

もっと頼って欲しいのに。



"…僕はAちゃんが大好きなのに。"



もう伝えられない言葉の数々が、頭をどんどん埋め尽くしていった。


あぁ、やっぱりダメだ。


必死に彼女のことを考えないように努めた。

数日間会わないようにもした。


それでも僕は、毎日彼女のことばかり思い出すんだ。


もういっそ、嫌われてしまったのなら、最後にこの想いだけ伝えさせて…。


はっきりと拒絶してくれれば、もう君のことをキッパリ忘れるから…。

二度と君の前に現れないようにするから…。

記憶30→←記憶28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (128 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
92人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 時透有一郎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ももちゃん(プロフ) - キャラメルさん» そんな風に褒めて頂けて、大変嬉しいです。ありがとうございます。第2章としてむいくん視点で過去を回想するお話を更新していく予定ですので、是非読んで下さいね。分かります!!毎週月曜日が楽しみだったから終わって寂しい。柱稽古が待ち遠しいですね。 (8月1日 17時) (レス) id: 6a9b81feac (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - この小説また更新されますか?すっごく読んでて楽しかったのでまた続き読みたいです!私も刀鍛冶編のアニメ見ましたよ!むいくんかっこよかった!見るたびに月曜日の憂鬱がなくなってました!柱稽古のアニメ楽しみ!! (8月1日 15時) (レス) id: 19e6b4c377 (このIDを非表示/違反報告)
ももちゃん(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年4月15日 20時) (レス) id: 6feda0f9ad (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とっても面白かったです (2021年3月27日 20時) (レス) id: 7c0e9b4de4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ももちゃん | 作成日時:2020年7月6日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。