第五話 ページ5
泣き疲れたのだろうか、少女は寝てしまった。
不死川さんはゆっくりと少女を寝かせ、布団をかけ直した。
「明日、また来る」
切なそうな顔
1度少女の頬に手を這わせて、不死川さんは蝶屋敷を後にした。
少女が目を覚ましたのは次の日の朝のことだった。
虚ろな目、小さく震える体
こんな姿になった人を私は何度も見てきた。
その度に鬼を倒さないと…もっと強くならないと
そう思ってきた
「おはようございます、昨日のこと覚えていますか?」
私の問いかけに小さく頷く
「私は胡蝶しのぶと言います、お名前教えてくれますか?」
『………A、紫原A』(シハラ)
消え入りそうな声だったが聞き取ることは出来た。
「Aちゃんですね、今いくつですか?」
『…8歳』
Aちゃんは俯いたまま自分の手を見つめていた。
「いま、食事と……不死川さんも連れてきますね、あなたを助けてくれた人です。少し待っていてください」
アオイに食事を頼み、不死川さんへ鴉を飛ばす。
すぐに来てくれるだろう。
部屋に戻ると今にも消えてしまいそうな様子で、Aちゃんが先程と同じように佇んでいるだけだった。
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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月11日 19時