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第三十六話 ページ36

お仕事をもらってから数日、なほちゃん達は教えるのがとても上手で、私は炭治郎さん達の訓練後の手当てを頼まれるようになった


『今日も、傷だらけですね』

「あはは、今日も不死川さんだったから…」

『実弥さん…?』

炭治郎さんの怪我の手当てをしていると、奥から声が聞こえた。
炭治郎さんがそちらに向かって行ったので、私もついて行く。




そこには、倒れる玄弥さんとそれを見下ろす実弥さん
雰囲気が良くないと誰もが感じ取れる


「玄弥っ!」

『さ、実弥さん!!』


炭治郎さんは玄弥さんの元に、私は実弥さんの元へ走った。足にしがみつき、これ以上玄弥さんに何かをしないように抵抗した。


『何してたの?どうして玄弥さん、ボロボロなの?』

「うるせェ…向こうに行ってろ」

『やだ!!』

きっと、喧嘩をしたんだ。
村にいた他の家の兄弟達もよく喧嘩をして、傷を作っていた。
でもこの2人はそんなあまいものじゃない。
今の実弥さんは、すごく怖い…

「俺は、ただ兄貴に…」

「何度もしつけェ」



"俺に弟はいない"

その言葉に言われた本人ではないのに胸が締め付けられた。言葉が辛いと言うよりは、そんなことが実弥さんの口から放たれたことに、悲しみを覚えた


『そんなこと…言わないで……』

どうして、実弥さん?
声は怒っているのに、すごく悲しそうなんだ…
それがまた私の胸を締め付けた

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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月11日 19時

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