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第二十三話 ページ23
「A、調子はどうだァ?」
静かに襖を開けると、ぐったりした様子でAが寝ていた。世話係の奴が、頭の手ぬぐいを変えて、さっきようやく寝たところだと告げた。
「じゃあ私は一旦失礼します」
「あぁ」
枕元に腰を下ろし、苦しそうな呼吸をするAを見つめた。
こんなに小さな体で、こんなになるまで我慢をしていたのか…俺はそれに気づいてやれなかった
俺もこいつもまだ互いのことを知らなすぎる
「これから、いろいろ教えろ…お前のこと、お前の家族、村のこと」
なんでも聞いてやろう
こいつが俺に話すことはなんでも
俺がちゃんとこいつの保護者になれるように
『さ、ねみさん……』
「起きたか、水でも飲め」
俺が水を差し出そうと手を動かすと、Aはその手を自分の顔に近づけ握りしめた
『おかえり、なさい…』
それだけ言って、Aはまた眠りについた
それほど力を入れて握られているわけではないのに、俺は手を動かせなかった。
熱で熱くなっている
苦しいはずなのに俺を見て笑みを見せた
その姿が本当に愛おしかった
「ただいま」
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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月11日 19時