第十七話 ページ17
夫婦の元に来て約1週間
この夫婦の本性はひどいものだった
没落しても尚、昔の生活を取り戻したいと
旦那さんは借金をして高価な品を、奥さんは使用人が欲しいから私を…
毎日浴びせられる、罵声、痛み
食事も村で暮らしていた頃よりも質素なものに
帰りたいと言えば、2人して私を叱り付けた
家の中では金持ちにでもなったかのように横暴に振る舞う2人は、外では愛想良く仲睦まじくしていた
外に出て助けを呼ぼうにも、出かける時は私を柱に縛り付け、口に布を巻いた
「使用人にはお似合いの姿よ」
実弥さんはこのことを知っているのだろうか…
いや、きっと知らない
だから、自分で何とかしなきゃ
こんな日々を送るために私は生き残ったんじゃない
でも、何が出来る?
この小さい体で、小さな力で
相手が鬼でなくとも、私が無力なのは同じだったみたい
.
「おい、茶を持ってこい」
『はい、すぐに』
ある日の晩、旦那さんがすごく酔って帰って来た
私を叩き起して、茶をいれるように言いつけた
今日は奥さんに朝から仕事を言いつけられて、へとへとだった。深い眠りに落ちていたところを起こされたため、足元も覚束無い
旦那さんにお茶を差し出そうとした時、足がもつれて思いっきりお茶を被せてしまった
「あっ…つ!」
『ご、ごめんなさい!』
「てめぇ、使用人の分際でっ!!」
旦那さんは私の髪を引っ張って持ち上げ、床に投げ落とした。
そしてそのまま、私の体に蹴りを入れた
77人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月11日 19時