[鬼滅の刃]その背に (ページ12)

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第十二話ページ12

今日は胡蝶さんも任務でいない。
昨日行った場所とは反対側に歩いて行くと、角を曲がった所で人にぶつかってしまった。

『ご、ごめんなさいっ！』

「あ？」

顔を上げると、そこには実弥さんと同じような傷がある男の人。
なんだか、実弥さんとにてる…

「なんだ、お前…」

『あの……えっと』』

「Aさん、ここにいたんですね。もうお昼ですよ。」

どうしようかと困っていると、アオイさんが私を探しに来ていた。
私は目の前の男の人から目を逸らして、アオイさんの元に駆け寄った。

.

失礼なこと、しちゃったかな…
今度会ったらちゃんとごめんなさいって言って、私のことも話さなきゃ

屋敷内を歩いていると、昨日と同じように騒がしい声が聞こえた！

たしか、あの人は炭治郎さん…

怪我をしているのだろうか、少し手を痛そうにしている。
蝶屋敷に戻り、アオイさんから薬をもらった。

『あの…』

「ん？君は、Aちゃんだったかな？どうしたの？」

『手、痛そうだっから…その……』

私はもらった塗り薬を炭治郎さんに差し出した。

「ありがとう、これですぐ治るよ」

炭治郎さんがすごく嬉しそうに笑ってくれた。
ちょっとだけ、役に立てた気がしてなんだか嬉しかった。

『今日は、善逸さんと伊之助さんはいないんですか？』

「あの二人は別の所で鍛錬中なんだ」

鍛錬、やっぱりこの人も実弥さんと一緒で鬼殺隊なんだ。だから、てもゴツゴツしてて硬い

私は炭治郎さんの手に無意識に触れていた
実弥さんよりは少し柔らかい

「Aちゃん？」

上から声をかけられた気がしたけど、私にはあまり届いていなかった。

この手が、いつか誰かを救うのだろうか…
いや、もう救ってきたのかもしれない

『私も、強くなりたい……』