第二話 ページ2
「てっ…!」
私が予想外の動きをしたのだろうか
包丁は鬼の腕に当たった
だが、血は一時流れただけで、すぐに止まってしまった
「この糞ガキ!!」
もう一度振りかざした腕は鬼に裂かれ、赤く染め上がった。
「この野郎、この野郎!よくも俺様に傷をつけやがったな!!」
すぐに塞がるくせに、鬼は怒って私の顔を叩いた。伸びたつめは簡単に私の頬も裂く
『ぅ…あ……』
痛い、熱い…
鬼が私の首を掴み、持ち上げる
息が詰まる、苦しい
神様、どうか私が死んだらこの鬼共に村人たちを殺した罰をお与えください
意識が遠のき、目を閉じかけると急に首元への圧迫感が無くなった。
肺に一気に送り込まれる酸素に反応して咳が出る。霞む視界に映るのは傷だらけの男の人
「おーおー、騒がしい鬼共だなぁ」
意図も簡単に2人の鬼を倒すその人は、鋭い目で私を見下ろした。
「おいガキ、生きてるか?
……ちっ、もうちょい踏ん張れ」
私の怪我の状態を確認したのだろうか。男は未だに血が流れる腕に布をきつく巻き、私を抱き上げた。
硬い胸板、汗と血の香り
私は、まだ生きている、その実感が悲しくも嬉しくもあった
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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月11日 19時