私がついた嘘 ページ22
*
┈┈┈先に目を覚ましたのは私だった。
手探りの指先に感じる温度に、まだぼんやりとした頭で思い返す。
暫くすると、隣でごそっと動き出す気配がして、私は思わず寝たふりを決めこんだ。
僅かに開いた瞼の端で、上半身を起こした人影が眠たげに頭を搔いているのが見える。
私はその様子を黙って眺めていた。
昨夜の仕返しではないけれど、まずは相手の出方を窺おうと思ったから。
あくびをしながらｺｷｯと首を回す姿。
ゆっくりと瞬きをしながらこっちを向いた彼は、同じベッドに横たわる私を見つけて驚いているように見えた。
この人は何を思うんだろう…
どんな言い訳をするんだろう…
私は、もう一度閉じた瞼の裏で考えていた。
静かな部屋に響くカチッというライターの音と、吐き出される息。
ゆっくりと目を開くと、やけに冷静な彼の声がした。
「…悪い。起こした？」
「う、…ん…」
私は、たった今起きたように装った。
目が合ったその人はいつもの仏頂面…
昨夜の熱っぽさなんて、欠片もない。
それが彼の普段通りといえばそうだ。
昨夜は二人して酔っていただけ。
キスをしたのも気の迷い。
やっぱり、面倒なことになったとでも思っているのかもしれない。
「あの…」
「ん？」
「昨夜のこと、覚えてますか…？」
私は何を確かめようとしたんだろうか。
「…覚えてるよ。」
その、いつも通りの冷めた口調に、私の心臓は嫌な音を立てた。
「その、つまり…この状況を見れば、何となく分かるんですけど…」
「…は？……覚えてないの？」
覚えていないはずがない。
最後まではしなかったけど、何もなかったわけじゃない。
だけど…
雰囲気に流されたとはいえ、こうやって一夜を共にした相手にそんな顔をされたら。
いっそ、忘れていた方がよかった。
私ばっかり慌てさせられて…
私ばっかり辱められたから…
少し困らせてやろうと思った私は、嘘をつくように小さく頷いた。
*
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ゆみ(プロフ) - 初めてコメントします<m(__)m>続きがきになります！他の作品も読みたいのでパスワード教えて下さいε=ε=(ﾉ≧∇≦)ﾉ (2015年6月22日 16時) (
レス) id: 49f154385b (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 始めまして。何となく辿り着いた兄さんの小説で、何となく読み始めましたが、とっても兄さんのイメージにしっくりきてドキドキしました。設定も台詞もすんなり入ってきて面白かったです。続き気になります。 (2015年4月12日 5時) (レス) id: d022df3758 (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - naricnuさん» naricnuさん、はじめまして^ ^このお話にハマってくださって、ありがとうございます♪パスはメッセージでお知らせしますね♪そちらも確認してみてください(*^^*) (2015年2月4日 20時) (レス) id: 6c8785ec3f (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - ソユンさん» ソユンさん、はじめまして^ ^私のお話を読んでくださって、ありがとうございます♪パスはメッセージでお知らせしますね★そちらも確認してみてください(*^^*) (2015年2月4日 20時) (レス) id: 6c8785ec3f (このIDを非表示/違反報告)
naricnu(プロフ) - 初めまして...初めてｺﾒﾝﾄします。この萌さんの書くｽﾄｰﾘｰにﾄﾞｷﾄﾞｷが止まらずﾄﾞｯﾌﾟﾘ！ﾊﾏってしまって読み続けたら夜が明けてしまいました！(笑)続きが気になり過ぎて仕方がありません...是非私にもﾊﾟｽﾜｰﾄﾞの方をお願いします！切実です(笑) (2015年2月4日 9時) (レス) id: e47cf687e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moe
| 作成日時：2014年4月21日 20時
