49 ページ49
「私は呪詛師の王になる」
ごめん…傑。
傑の夢を邪魔する事になる事くらい分かってる
最低だと分かっていても…
それでも
きっとコレが私の選ぶ道なんだ
「仕方ねぇ…俺がその夢手伝ってやるよ」
そう言って孔は構えていた銃と引き換えに私に手を差し伸べた
「…お前、いつから自分が選ぶ側だと錯覚してんの」
「え、いや…は?」
想像していた言葉とは程遠い私の発言に孔は驚き口を開いたまま立ちすくしていた。
「孔時雨、お前は私の右腕となれ。私が私の夢を叶えるその日まで」
そして今度は私が手を差し伸べると若干不満な顔を浮かべたものの直ぐに私の手をしっかり握り返した
「全く…可愛くねぇガキだな」
きっと最初からアイツは敵討ちなんて考えてなかったんだろう。親友でもない伏黒の意思を継ぐなんてとんだお人よしだ
「そうと決まれば、これから王様になる奴にそんな面させらんねぇな。とりあえず帰るぞ」
「待ってその前に一つ寄らなきゃならない場所がある」
「あー、そうだった」
そう言って車を走らせ向かった先は…
「世話になったね…夜蛾」
「どう言うつもりだA」
呪術師として生きた私の人生に終わりを告げるに相応しい
私の愛した場所だった。
きっと帰りを待っていたのだろう。
誰もいなくなった暗い校舎に一つだけポツンと明かりを灯すその部屋に夜蛾はいた。
「傑は止められ無かった」
「…だから辞めるのか?」
手渡された退学届を握り締める夜蛾を見てこりゃご立腹だと横腹をチクチクと痛める
「そうじゃない。辞めたって傑はもう誰にも止められない。だから止めようなんか思ってない。ただ私にはやるべき事があるんだよ、呪術師ではなく呪詛師としてね」
「自分が言ってる事が本当に分かってるのか?もう2度と普通に生きる事はできなくなるんだぞ」
「私は本気だ。既に柊家は傑に潰された。もしこの事が知れれば自由になった呪詛師達は必ず猿狩りを始めるだろう…そうなれば呪術師だって皆無事でいれるとは限らない。だから傑の残穢を消して私のモノだけ残してきたんだ。私のモノなら柊家内部の問題で処理され、そう大事には至らないだろう」
「お前は…なんて事を…」
「大丈夫。私なら上手くやれる」
夜蛾の事だ。
きっと大人である俺が力不足なばかりなんて思ってるんだろ
全く脳筋の癖に余計な事ばっかり考えるなよ
私は…本当に…
アンタの生徒になれて幸せだったよ
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Non - 常春さん» お忙しい中コメントしていただきありがとうございます!!全然謝らないでください!読んでくださってるだけで光栄すぎるくらいです。お体におきおつけてお過ごしください (11月8日 22時) (レス) id: f644c360f0 (このIDを非表示/違反報告)
常春 - コメ返信、小説の更新ありがとうございます。最近少し忙しくてあまり占ツクを開かなくなってしまったのでコメント等が出来ませんでした。申し訳ないです。そして今回もとても面白かったです。これからの展開が楽しみです。 (11月6日 0時) (レス) id: 18eaca2ace (このIDを非表示/違反報告)
Non - 常春さん» はい!難しくて最新率が落ちスイマセン。気合いいれてがんばります!そしていつも温かいコメントありがとうございます!!本当に励まされております (10月31日 1時) (レス) id: f644c360f0 (このIDを非表示/違反報告)
常春 - コメ返信、小説の更新ありがとうございます。いよいよ懐玉 玉折編ですかね?ぶっちゃけ懐玉 玉折編が一番好きなので楽しみです。nonさんもお身体に気をつけて下さいね。 (10月23日 0時) (レス) @page27 id: 18eaca2ace (このIDを非表示/違反報告)
non - 常春さん» お久しぶりです!まだ読んでいてくださったと知って本当に嬉しく思います!いつも励ましてくださりありがとうございます。本日はまだ完成していなく更新は明日になると思いますがまたお暇があれば読んでください!!常春さんも体調に置きおつけてくださいね^^ (10月20日 0時) (レス) id: eb03765b50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Non | 作成日時:2023年9月27日 1時