お前が最強だなんて認めない

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1989年1月7日

平成元年

その幕開けを嘲笑うかの様

平安の世から現世に渡るまで人々を恐怖に陥れた呪い

呪詛家 柊 にこれまで類を見ない程の天才が生まれた

それが私…柊Aだ。


「いいか、お前はこの呪詛師界が世を制するためだけに神が与えた最強の鉾だ。故にお前には夢も思想もいらぬ。ただ己の役目だけ果たす事に専念しろ。」

物事もついてないガキの頃から父はいつも私にそう言っていた

それが正しいか間違っているのかなんてどうでもいい

私は天才であり最強

その真実のみが私に与えられた唯一の存在意義だと赤子ながらに悟っていた


そんな私に


「A様、どうぞこれを！！」

「ああ、貴方様がいればこの世は救われる！貴方様のみが私どもの希望です！」

出会う者は皆私に向けて気持ちの悪い目を向け私を泣いて崇めていた



「俺たちの才を奪って生まれ落ちたくせに…」

「憎い！返してよ！！アンタのせいで私たちは！！」

「お前なんて生まれなければよかった。」

能力をもたずして生まれた出来損ないの兄弟達は私の才を羨み妬んだ



ああ、心底どうでもいい


他人が私に善意や悪意を向けるのは
奴らが持ち得ない者を私が持っているから


どうしたって何も変わらない

何を話しても誰も理解できない

人間であるお前らに期待したって…なんの意味もない


仕方がないんだ。

これは仕方がない事なんだと


そうやって私は父の願い通り

唯一感じる事ができた

孤独という

自分の気持ちに蓋をした


＊ここから暫く夢主sideで書かせていただきます



　

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