-蝶は水面月で羽を癒す-

＃２６ ページ26

ずっと頭の隅にはある…先生と生徒の恋愛が御法度な事

冨岡先生に好きな人がいるかとか、それが一体誰なのかとか
それ以前に私達は堂々と恋愛できる対象じゃなくて

もし両想いだったとしても、その常識的事実は変わらない

この前 公園で話した夜だって、その事が頭に無かったわけではないのに
衝動的に確かめてみたくなってしまった…

本人にはっきり聞いてみたくなった


＿もしかして、冨岡先生の好きな人って私ですか？


こんなの完全な自惚かもしれない

冨岡先生は、好きな人の事…一目惚れだったって言ってたし
少なくとも私が初めて冨岡先生と出会ったあの夜の出来事では、一目惚れするには無理があるのかもしれない…

勘違いであれば相当恥ずかしいけど、勝算が無いわけじゃない


この二ヶ月程、冨岡先生と出会ってから
過ごした期間の割に親密になれたとも思うし、何より冨岡先生の言動の数々

思い返してみれば、期待したくなる様な事はいくつもあって…


義勇｢胡蝶、こんな所に居たのか｣

しのぶ｢冨岡先生…！｣

ほら……こうやって山程 貴方に視線を向ける女生徒達には目もくれず
グラウンドから影になる場所に居ても私を見つけ出して歩み寄ってくれる所とか…

しのぶ｢お疲れ様でした。ちゃんと見ていましたよ｣

義勇｢応援してくれていたのか｣

しのぶ｢聞いてましたか？見ていたって言っただけで、応援してましたとは一言も言っていませんけど｣ﾆｺｯ

義勇｢…！？｣ｶﾞｰﾝｯ

しのぶ｢そんなショック受けなくても…っ…他の子達がたくさん応援していましたし、私一人分くらい声援があっても無くても同じなのでは…？｣

少し意地悪を言ってみただけなのに、思ったよりも顔に出してショックを受ける冨岡先生の反応に戸惑う

義勇｢他の生徒からの応援も嬉しいが…俺は胡蝶の応援が一番聞きたい｣

しのぶ｢…っ/// どうして、そう…歯の浮く様な台詞をさらっと口にするんですか…！///｣

義勇｢…？事実を言ってるだけだが？｣

しのぶ｢だから！そういう所ですよ…っ………ﾊｯ！｣

冨岡先生の爆弾発言に振り回されていたら、少し離れた所から視線を感じ振り返ると

蜜璃｢ふふ…///｣ﾆﾖﾆﾖ…ｯ

しのぶ｢蜜璃ちゃん いつからそこに…！｣

蜜璃｢ごめんなさい、お邪魔しちゃ悪いかと思って…！///｣

義勇｢…？｣

しのぶ｢勘違いです！///もう、蜜璃ちゃん行くよ！｣

蜜璃｢え〜残念だわ〜｣

でも、蜜璃ちゃんでよかった

他の人に見られでもしていたら…

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