Only Love Part 35

イメージにぴったり ページ6

今日先生のところに来ることになったのは突然のことなのに、いったいどういうことなんだろう。

私は半信半疑で先生の仕事部屋に入っていった。

ジヒョンさんは、私をみとめると椅子から立ち上がって挨拶した。

「お久しぶりです」

「こちらこそ、すっかりご無沙汰してます」

「今日は急なことで、大変申し訳ありません。まさかほんとに来ていただけるなんて、ありがとうございます」

聞けば、ジヒョンさんは新作アルバムのジャケット写真の件で、先生といろいろ話し合っていたのだという。

私をモデルにしたいという意思は変わらず、でも、私が承知するかどうかまだわからないと先生が言うと、どうしても直接会ってお願いしたいと言い出したとのこと。

「ほんとに図々しいお願いで申し訳ないのですが、僕はAさんの雰囲気というか、その全体のムードがイメージにぴったりなので、なんとかジャケット写真にと…」

ジヒョンさんは私を眩しそうに見つめながらそう言った。

すなおに、嬉しかった。

「はい、そのことは以前、先生から伺っています。お返事を先延ばしにしていて申し訳なかったです。ご依頼はお引き受けしようと思ってました」

私がそう言うと、ジヒョンさんはぱっと顔をほころばせ、そして頬をうっすらと赤らめた。

「ありがとうございます！嬉しいです！！きっと幸田先生が、僕のイメージ通りの写真を撮ってくれると思います」

先生もほっとしたような顔をしている。

「承諾してくれてよかった。ジェジュン君が大反対するかもしれないって思ってたからねえ」

「先生、実はその一歩手前だったんですよ」

「え？！」

私は箱根でのジェジュンとのやりとりを話した。

「そうかあ、そんなことが… でも、ジェジュン君の『ほんとはイヤなんだけど頑張ってみる』っていうくだりがなんともいじらしいね」

「私もそう思います。彼なりに必死で自分を説得したっていうか…」

「こうなったら、最高のショットを決めるしかないな。僕も頑張らないと」

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