Only Love Part 35

苦手 ページ43

インスタのホットラインだけは譲れない。

ここはなんとか頑張らないと。

「バレるに決まってる。スーパースターは、そういう危険なことをやらないのが一番いいの」

「危険ってなに？」

「私の存在がファンにバレるっていうことよ」

「でも…」

Aを落とすのは、ほんとに大変。

仕方ないから、俺は切り札を出した。

「ヒョンがアイデアを出してくれたんだ」

案の定、Aが態度を和らげてくれた。

「ソンジュさんが？」

「誰も知らないアカを作ってAをフォローすればいいって」

「そういうことか。なら、作るけどジェジュンは写真をあげたりしたらダメよ。一発でバレるから。ファンはよく見てるんだからね」

「わかった… でもさ、どうしてAはそんなにSNSが嫌いなの？」

「嫌いってわけじゃなくて、苦手なの」

「同じようなもんじゃない」

「メールだって面倒くさいと思うことが多いのに、インスタだのツイッターだのって、どうなってるのって思う」

「ひどい、A」

「あー、ごめん、ごめん。ジェジュンはそういうの大好きだから仕方ないね」

「仕方ないって…」

さっきのサインのことといい、ほんと、切なくなってくる。

「要するにジェジュンは誰かのインスタに『いいね』をしたいわけね。えーと、スタッフさん。ソンジュさんとかソヒさんはインスタしてないの？」

「してない。ヒョンはAと同じでSNS苦手みたい。ソヒヌナはインスタじゃなくてFacebookがメインなんだ」

「そっか」

「俺はAのインスタ写真に“いいね”を押したい。コメントとかも書きたいよ。ちゃんと日本語で」

「はあ…」

Aが、また不安そうにして、ため息までついた

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