Only Love Part 35

たくさんあった方がいい ページ38

打ち上げが終わると、俺はホテルの部屋に引き返し、すぐにAに電話をかけた。

Aは、俺が豹柄のニットでステージに立ったことをちゃんと知っていて、喜んでくれた。

Aの声、やっぱりいいな。

可愛くて、甘くて、爽やかで。

聞いてるだけで癒される。

早く会いたいよ、A。

早くおまえと仲良くしたい。

その夜、ホテルの部屋で、俺は久しぶりにひとり遊びをしてしまった。

ごめん、A、でも、しょうがないじゃん…

広州での仕事のあと、事務所が日本での大阪公演を発表した。

これも事務所の常套手段だ。

飴と鞭をよく使い分けてる。

それでも、俺のテンションはあがった。

1回でも多く、日本でライブをしたい。

台湾でライブをしながらも、心は日本に飛んでしまったりした。

台湾のペンヨロブン、ほんとにごめん！！

その夜も俺はAに電話をした。

Aの声を聴いていると、あの時の声も聴きたくなる。

「ねえ、A。電話で仲良くしよ？」

そうおねだりすると、一発で却下された。

「ダメ」

「なんでー？」

「だって、私はちゃんと会って仲良くしたいもの」

「はぁ…」

そう言われたら引き下がるしかない。

「もうすぐ会えるから。会ったらまたたくさん仲良くして？ジェジュン」

「ん、わかった。覚悟しておいてねー」

そしてライブの翌日の日曜日、俺は帰国した。

乗った飛行機が偶然、KITTYの絵が描いてあって、これも嬉しかった。

嬉しいことは、たとえ小さいことでも、たくさんあった方がいい。

そうでなくても、気が滅入ることが多いから。

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