Only Love Part 35

言葉の意味 ページ35

『やっぱ、無理かな。日本のライブが一番盛り上がるんだけどなあ』

『本気でそう思ってる？』

日本でライブをしたいとか、そもそも上っ面な感じに聞こえてしかたがなかった。

今のユチョンの一番の関心事は撮影中の「海霧」の演技に決まってる。

『いや、今すぐってわけじゃなくてさ。でも、俺たちが兵役に行く前にはツアーやりたいじゃん』

今度は俺が黙ってしまった。

兵役。

あっという間に来てしまうんだろうな…

ユチョンやジュンスがどうするのか知らないけど、俺は陸軍に現役で行くことを決めている。

男のけじめはキッチリつけたい。

『ヒョンが一番、日本で歌いたいって思ってるの知ってるよ。俺からも代表に言ってみるけど、あとはジュンスしだいかなあ』

たぶん、正確にはジュンスのアッパしだいだろう。

ジュンスの父親は絶大な権力と発言権を持っている。

そもそも、ミュージカルや自分のソロアルバム作りに熱心なジュンスが、積極的に3人でツアーをやりたいと思っているかどうかわからない。

ワールドツアーを終えたころから、なんだかボタンを掛け違えたような違和感を感じ始めた。

でも俺は誰にも何も言わず、全部を胸の奥底に押し込んだ。

何度も底から噴出してきそうだったのだけれど、そのたびに押し戻したんだ。

そのうちに、その塊がとんでもなく硬くなってしまった気がする。

このままじゃ駄目なんだけど、どうしていいのかわからなかった。

たぶん、「兵役」がキーワードだ。

その場所に行けば、2年近く芸能活動は出来ない。

事務所だって、何か考えるだろう。

俺は歌手だから、アルバムをリリースしてツアーをしたい。

ただそれだけのことが、難しい。

いつだったか、Aが「飼い殺し」だと言った。

俺はあのあと、辞書で意味を調べた。

“�＿斑椶�役に立たなくなっても死ぬまで養うこと。�△修凌佑�能力を発揮できるような仕事を与えないままに、ずっと雇っておくこと”

なるほどなあと思った。

そう言えば…→←俺からじゃ駄目

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