Only Love Part 35

広州ショーケース ページ31

先月はベトナムのハノイだった。

で、今月は中国の広州。

ＪＹＪの仕事で、俺は仁川から大陸へと旅立った。

ショーケースのセットリストは４曲で、そのうちの１曲は俺のソロだった。

俺はAのオンマからのプレゼントの豹柄のロングニットを着て、Just Another Girlを歌った。

衣装として申し分なかったから、歌っていても気分が良かった。

中国のファンには生JAGはもちろん初見で、興奮のあまりなのか、みんな椅子の上に乗って立っていた。

日本じゃ考えられないけど…

ショーケースが終わった、その夜。

『ヒョン、ソロ曲かっこよかったよ。やっぱり歌上手いなあ』

打ち上げの席で、隣に座ったユチョンが言った。

『ありがと。そう言ってもらえて嬉しい』

ジュンスは同じテーブルにはおらず、スタッフさんたちと他のテーブルで盛り上がっている。

俺の視線の先を確認したユチョンは、ちょっと苦笑した。

『ジュンスはヒョンがソロ曲を歌ったのが気に食わないみたい。でも、事務所が決めたことだからね』

『気に食わないって… 本人がそう言ってたの？』

『そうじゃないけど、あのジュンスを見ればわかるよ』

俺も苦笑するしかなかった。

『室長が、ヒョンも早く歌手から俳優に本格的に転身すればすべて丸く収まるって言ってた。俺はヒョンの歌が好きだから、同意はしなかったけど』

俺、入る事務所を間違えたかも。

思わずそう言いそうになって、言葉を飲み込んだ。

あの時の俺は、何も知らなかった。

何もわかっていなかったんだ。

いや、わかったふりをしていただけだ。

本当は心の片隅で、全部わかっていたのかもしれない。

深く考えたくなかった。

たぶん、それが正解だろう。

心配なところ→←好感度アップ

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