青春時代 ページ21
上半身アップの写真で、僅かにほほ笑んだジヒョンさんが自分の手元に目を落としている。
「Aさん、さすがだね。僕も気に入ってるカットなんだ」
「こうしてあらためて見ると、ジヒョンさんもイケメンですよね」
「そうそう。彼はなかなかもてるんだよ。最近はライブで若い女性ファンの姿もよく見かけるし」
「そうなんですね。ジャズはオジサンのファンが多いっていうイメージですけど」
「悪かったね」
先生はそう言って茶目っ気たっぷりに口をとがらせた。
「あ、ごめんなさい。別に先生がオジサンってわけじゃ…」
「いや、僕は十分、オジサンだよ。ジャズを聴き始めたのは10代のころからだから、年季は入ってるな」
「先生がジャズを好きになったきっかけって何だったんですか?」
「高校の時に憧れの先輩がいてね。美人の生徒会長だった。その女性が趣味でジャズ聴いていたんだ。シブくてかっこいいと思ったなあ。彼女がジャズ喫茶に通ってたもんだから、僕も真似して行ってみたら、これがすっかりハマってしまって…」
「へえ、先生、青春してましたね」
「うん、たしかに青春だったよ。僕も生徒会の委員をしてたから、生徒会活動はほんとに楽しかったなあ」
「もしかして、その生徒会長さんって、先生ののちの奥様じゃ…」
「いやいや、そう願いたいところだったんだけれど、彼女とは付き合うところまでいかなかった。憧れの存在で終わったんだよ。切ない想い出というところだな」
先生の昔話を聞くのは、ほんとうに楽しい。
聞けば聞くほどいろんな新事実が出てきて、興味がつきなかった。
「先生、質問ついでに訊きたいんですけど、南さんとはどちらでお知り合いになったんですか?」
「ああ、彼女は僕の親友だったやつの娘さんなんだ」
「…だった、っていうのは」
「一昨年、病気で亡くなったんだよ。まだ50代半ばだった」
「それは残念でしたね」
「いいやつだったんだよ。写真仲間でもあった。彼は報道の仕事をしていたんだけどね。その娘さんがヘアメイクの道に進んだことを知って、撮影の時に来てもらったら、上手なんで驚いたんだよ」
「そうだったんですか。いい出会いですねえ」
結局、その日も夜遅くまで先生のお宅に居座ってしまった。
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alexis(プロフ) - 桃子さん» なるほど!さすがです!キシャラギくん(≧∇≦)b (2019年5月15日 12時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - alexisさん» クレカのサインのことはすっかり忘れてました〜 主人公は外国によく行くからサイン慣れしているはずなのにね。たぶん、如月君は日本語のサラサラサインを考えてくれたのかも。 (2019年5月15日 8時) (レス) id: 540ae2064d (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - サイン…て、カードとかの支払いですることありますけどもージェジュンさん?ヒロインはきっと筆記体でサラサラっと書いちゃったんですねー (2019年5月14日 20時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 桃子さん» 引っ越しの後片付けで終わりましたチーン(-ω-;) 更新、嬉しいです♪ 妄想…物語。。。素晴らしいストーリーを読んでると毎回、思いますよー想いは真実を引き寄せる…と。現実から目をそらせないほどの信ぴょう性……妄想は想像を超えていきますから! (2019年5月11日 0時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - 桃子さん♪お返事有難うございました~♪アナザ~スカイ観てました!(笑)JJ が春の桜より眩しかった!(笑)もって生まれた愛されキャラで何もかも上手だけれどそれ以上にブレることなく謙虚に努力し続ける姿がより眩しい人!輝き続けるJJ万歳! (2019年5月10日 23時) (レス) id: 1d7062e30d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃子 | 作成日時:2019年4月20日 0時