海辺での撮影 ページ12
年のころは私より5、6歳年下だろうか。
静さんみたいなふわふわヘアだが、色が違う。
赤に近い茶色だった。
身体の線が全くわからないダボっとした綿素材のワンピースを着て、派手な色の靴下を履いて、指なし手袋をはめ、首から猫のデザインのペンダントをさげている。
自分自身のメイクはごく薄くて、ほとんどすっぴんに近い。
ただ、まつ毛だけは黒々と長く上向きで、印象的な目元だ。
「はじめまして、南です。よろしく」
香菜さんはそう言いながら、私の全身をプロの目でチェックしていた。
「幸田さん、ほんとにAさんは素敵な方ですね。やりがいがあります」
その姿とはギャップのある、少しハスキーな声だった。
「南君の腕は確かだからね。いっしょに仕事ができて嬉しいよ」
その時、もっと重大なことに気が付いた。
「あら?先生、肝心のジヒョンさんがいませんけど」
「ああ、彼は別撮りなんだ」
私はびっくりした。
てっきり今日一緒に撮るものだと思い込んでいた。
「いやね、最初は一緒に撮るつもりだったんだ。でも、ジヒョン君が急にそれはやっぱりダメだと言い出してね。別撮りにすることになったんだよ」
「そうでしたか…」
もしかしたら、ジェジュンのことを考えてくれたのだろうか。
その後は怒涛のようだった。
別室に連れていかれてメイクされ、真っ白で袖と身頃が一体化したような長い丈の衣装を着せられ、最後に髪をセットされた。
車2台で向かったのは鎌倉の海岸。
当然のことながら、如月はスタッフのひとりと化していて、先生の車のトランクから撮影機材を運び出していた。
先生の指示で立ったり座ったり、歩いたり走ったり。
波打ち際に、背もたれの高い木の椅子が置かれ、私はそこに座って海を眺めたり、文庫本を読むかっこうをしたり、目を閉じて瞑想するふりをしたり。
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alexis(プロフ) - 桃子さん» なるほど!さすがです!キシャラギくん(≧∇≦)b (2019年5月15日 12時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - alexisさん» クレカのサインのことはすっかり忘れてました〜 主人公は外国によく行くからサイン慣れしているはずなのにね。たぶん、如月君は日本語のサラサラサインを考えてくれたのかも。 (2019年5月15日 8時) (レス) id: 540ae2064d (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - サイン…て、カードとかの支払いですることありますけどもージェジュンさん?ヒロインはきっと筆記体でサラサラっと書いちゃったんですねー (2019年5月14日 20時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 桃子さん» 引っ越しの後片付けで終わりましたチーン(-ω-;) 更新、嬉しいです♪ 妄想…物語。。。素晴らしいストーリーを読んでると毎回、思いますよー想いは真実を引き寄せる…と。現実から目をそらせないほどの信ぴょう性……妄想は想像を超えていきますから! (2019年5月11日 0時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - 桃子さん♪お返事有難うございました~♪アナザ~スカイ観てました!(笑)JJ が春の桜より眩しかった!(笑)もって生まれた愛されキャラで何もかも上手だけれどそれ以上にブレることなく謙虚に努力し続ける姿がより眩しい人!輝き続けるJJ万歳! (2019年5月10日 23時) (レス) id: 1d7062e30d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃子 | 作成日時:2019年4月20日 0時