宝物 ページ37
以前はひとりで料理をしてひとりで食べるなんてことは当たり前で、別にどうっていうこともなかった。
Aと付き合うようになってからというもの、俺は彼女との「生活」に甘えてしまって、その幸せな環境を当たり前と勘違いしていたんだろう。
その夜、俺は自分からはAに電話もメールもしなかった。
彼女からの連絡をひたすら待った。
アッパの手術、うまくいったよね。
俺、祈ってたから！
日付が変わろうとする時刻、ようやく俺のスマホが震えた。
メールではなく電話だった。
「もしもしA？！よかった、電話くれて…」
俺の心臓が小さくドクンと跳ねる。
「ジェジュン、ごめんね。電話が遅くなっちゃって」
「いいんだよ。まだ起きてたし」
「あのね、父のことだけど、手術うまくいったの。術後に、執刀した先生から説明を聞いたけど、悪いところは全部取ったって。転移の検査もしたけど、どこにも広がっていなくて安心だって言われて、ほっとしたわ」
「よかった…」
聞いただけで涙が出てきそうになった。
「ありがと、ジェジュン。心配かけちゃったね。それでね、1週間はこっちにいるつもりなの。来週、月曜日か火曜日にはソウルに戻るから、待っててくれる？」
「もちろんだよ。俺もロードショーと台湾のライブがあってソウルを空けちゃうし。A、アッパの看病、頑張るんだよ。来週、俺たちまだ合流しようね」
「うん。ジェジュンもライブ頑張って？」
「頑張る！A、愛してるからね。離れてても、Aのことずっと想ってるから」
「私もだよ、ジェジュン。じゃあ、おやすみ」
「ん、おやすみ、A…」
電話を切ったら、さらに寂しさがつのった。
何が違うんだろう。
やっぱり、Aのアッパのことがあるからなのかな。
俺はスマホでＳＮＳを見た。
横浜スタジアムのライブを見てくれた日本のファンたちが、たくさんツイッターで俺にメッセージをくれていた。
この９月から始めたインスタグラムにも、たくさんのハートマークやコメントがついている。
ファンのみんなは、俺の大切な宝物。
この気持ちはずっと変わらないだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 233人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃子(プロフ) - あひるさん» 何度も読んでいらっしゃる方にお願いがあります。私自身、昔書いたことを忘れています。何か矛盾している内容がありましたら、遠慮なく教えてください。なんとかつじつまを合わせないと将来のストーリーに影響してしまうので。なにとぞよろしくお願いいたします。 (2019年4月30日 11時) (
レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - あひるさん» 何度も読み返してくださっていたなんて感激です！このようなコメントは最高の励みになります。ほんとに嬉しい… ありがたいことです。ずっと気になっていたので、自分自身戻ってくることができてほっとしています。執筆頑張りますね(^^)/ (2019年4月29日 7時) (レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 何度も読み返しながらずっと待ってました！戻ってきてくださりありがとうございます(;-;) (2019年4月28日 13時) (レス) id: 43c7260182 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - alexisさん» 必ず読みたいと言っていただけて嬉しいです！モデルは特にいないのですが、シギシギさんは意識しているかも。如月君はドラマの影響受けてますが、ちゃんと見ていたわけではありません。今後、もっとストイックな感じにしたいなあ、なんて思ってます。 (2019年4月20日 0時) (レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 桃子さん» ゆっくりでも必ず読みたいストーリーですので(^_^) ガンちゃん…あのおっさんがモデルですかねー( -_-)ｼｷﾞ○ｷﾞ …。それから、執事さまは――！テレ東の執事さんのミステリードラマが始まったので“執事”！そうだ！きしゃらぎ君はー？と(*´∀｀) (2019年4月20日 0時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃子
| 作成日時：2017年4月12日 14時
