自慢の娘 ページ13
「だって、彼は…」
一般人じゃないから。
そう言おうとして、言葉が詰まった。
「世界中にファンを持っている特別な立場の人間。そういうことだね？」
父は今度は優しい目をして私を見つめていた。
「Aと彼氏が今後どうするのかは、親でもどうのこうの言えない。ふたりで決めることだからね。Aが彼との結婚を諦めて、一生秘密の恋人のままでいいというのなら、それもいいだろう。まあ、僕としては、やっぱりいつかは孫の顏が見たいところだけれど…」
孫！
その言葉は反則だよ、パパ。
私は泣きそうになってしまって、俯いた。
ジェジュンも自分の子供が欲しいって思ってるみたいだった。
あの、新婚カップルごっこをした時、３人欲しいって…
でも、今は駄目。
ジェジュンには、兵役という大事な国への義務が待っている。
それを無事に務めあげて戻って来ても、まだまだ問題は山積みだろう。
「A、あまり考えすぎないほうがいいと思う。今から悩んでも仕方ないだろう？それより、彼氏をしっかり支えてあげることだな。僕は、憧れたことはあっても実際に歌手や女優と付き合ったことはないから、たいしたアドバイスはできないんだがね。芸能人というのは、我々一般人とはかなり違う境遇にある。我々が想像もできない悩みもかかえているだろう。そういう人のそばにいるのは辛いことも多いかもしれないけれど、愛情がしっかりあるならやっていけると思うよ。なにしろ、Aは僕の自慢の娘だから」
父の言葉が胸にも脳内にも染入ってきた。
ふと見ると、おかわり用のティーポットをお盆に載せたまま、部屋の隅で如月が直立していた。
今の父の言葉を聞いていたのだろう。
まるで、一字一句を記憶しようとでもするかのように、空を見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 233人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃子(プロフ) - あひるさん» 何度も読んでいらっしゃる方にお願いがあります。私自身、昔書いたことを忘れています。何か矛盾している内容がありましたら、遠慮なく教えてください。なんとかつじつまを合わせないと将来のストーリーに影響してしまうので。なにとぞよろしくお願いいたします。 (2019年4月30日 11時) (
レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - あひるさん» 何度も読み返してくださっていたなんて感激です！このようなコメントは最高の励みになります。ほんとに嬉しい… ありがたいことです。ずっと気になっていたので、自分自身戻ってくることができてほっとしています。執筆頑張りますね(^^)/ (2019年4月29日 7時) (レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 何度も読み返しながらずっと待ってました！戻ってきてくださりありがとうございます(;-;) (2019年4月28日 13時) (レス) id: 43c7260182 (このIDを非表示/違反報告)
桃子(プロフ) - alexisさん» 必ず読みたいと言っていただけて嬉しいです！モデルは特にいないのですが、シギシギさんは意識しているかも。如月君はドラマの影響受けてますが、ちゃんと見ていたわけではありません。今後、もっとストイックな感じにしたいなあ、なんて思ってます。 (2019年4月20日 0時) (レス) id: 7826a72cfd (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 桃子さん» ゆっくりでも必ず読みたいストーリーですので(^_^) ガンちゃん…あのおっさんがモデルですかねー( -_-)ｼｷﾞ○ｷﾞ …。それから、執事さまは――！テレ東の執事さんのミステリードラマが始まったので“執事”！そうだ！きしゃらぎ君はー？と(*´∀｀) (2019年4月20日 0時) (レス) id: d8faaba8f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桃子
| 作成日時：2017年4月12日 14時
