第五章(4) ページ20
それから、と言うものカラ松は十四松の話ばかりだった。
_____ここで一緒に野球をすると、その日はいつもより寝るのが早いんだ。
______この前、この公園に咲いている青い花をくれたんだ
その話をしている最中、僕から見えるのはカラ松の横顔ばかりだった。
…嫌われた、完全に。
「嫌い」って言いたかったんじゃないのに。
「好き」って言いたかった、それだけのことだったのに。
ずっと、「カラ松の隣にいたい」そう願っていた。
けれど、ほら。
隣にいても結局は、また辛くなるだけで傷つくだけなんだ。
隣にいたって、カラ松の見る世界で僕は生きることはできない。
なんで、十四松なの。
なんで、僕じゃないの。
僕の方が、兄さんを好きな気持ちは大きいのに。
だけど、十四松は優しいし素直だし。
何より、笑顔が素敵だ。
まるで、僕とは正反対。
顔も同じようなものなのに、それほどに中身が違うということだろう。
だから、兄さんは十四松のことが好きなんだ。
僕とは、全然違うから。
僕と同じくらい、十四松のことが好きなんでしょ?
それなら、やっぱり僕じゃダメなんだよ。
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Pine-雪かきなぅ - 占ツクで泣きそうになったのは初めてです!素敵な作品に出会えてよかったと思っています!! (2017年8月27日 18時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます、番外編ですか…なるほど、ハッピーエンドも久しぶりに執筆したいものです。リクエストありがとうございます!!是非お応えしたいところなのですが、生憎現在連載中の小説で退会するつもりです、別サイトでも読んで頂けるのならさせて下さい (2017年6月6日 17時) (レス) id: b4cf024556 (このIDを非表示/違反報告)
リト - あの、番外編みたいな感じでハッピーエンドにしてくださいませんかっ!? (2017年5月18日 7時) (レス) id: 806e39f599 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - コメントありがとうございます。本当ですか、!!残念ながらあまり人気のでなかった(苦笑)作品をそう言って頂けて大変光栄に感じております。そうですね、友人にも言われてました(笑)読んで下さり改めて感謝します。よろしければまた違う作品の方もお願い致します (2016年8月25日 15時) (レス) id: 57bc830bd0 (このIDを非表示/違反報告)
*全松ガール* - 文章力がすごいっ!感動してしまいました。なんか一松がかわいそうだけど…まぁ、幸せそうだしよかった!! (2016年8月25日 15時) (レス) id: 14291d622d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チュロス | 作成日時:2016年5月3日 12時