第四章(1) ページ11
どういうことだ、という意味で相手のことをﾊｯと見つめると、トド松はクスクスと笑い出した。
つまり、彼の言うことをまとめると。
僕は、十四松兄さんを奪うから
そのとき、一松兄さんがカラ松兄さんに近付けばいいじゃん。
そういうことだ。
簡単そうに言うが、そんなことできるはずがない。
だって、
十四松は僕の______
「可愛い弟の幸せを奪えない、とか考えてるんでしょどうせ」
コイツ…！！
僕が、相手に睨みを効かせてじっ、と見つめてやると相手はそうつまらなさそうに吐き捨てた。
「十四松兄さんは僕が幸せにしてみせる、だから一松兄さんは自分で幸せを掴みに行かなきゃ」
そう無邪気に笑う末弟が、僕にはとても自分の兄弟とは思えなくなっていた。
もはやコイツは、“一人の男”としている。
もっと言えば、“獣”だ。
僕は、獣になれるだろうか。
ただ、猫のように臆病なままにこの恋を終わらせてしまうのではないか。
ぐすぐず、頭の中で必死に思考を回しているとトド松は「早くしてよ」と口を尖らせた。
「………で？どうすんの？」
「…やる」
咄嗟に口から出たその二文字は、これからの僕の人生を大きく変えることになるかもしれない。
それは、いい意味でも悪い意味でも。
どちらとも言えないが、少なくとも僕は“獣”になれるだろう。
「流石！僕の兄さんだね、」
なんだか調子のいいことを言って顔を明るくするトド松は、なぜかとても輝いて見えた。
それは、明るくした顔のせいでも澄んだ目のせいでもなく。
ただ単に、これからの恋に自信があっただけなのだろう、ということを理解するのは僕にも簡単なことであった。
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Pine-雪かきなぅ - 占ツクで泣きそうになったのは初めてです！素敵な作品に出会えてよかったと思っています！！ (2017年8月27日 18時) (
レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます、番外編ですか…なるほど、ハッピーエンドも久しぶりに執筆したいものです。リクエストありがとうございます!!是非お応えしたいところなのですが、生憎現在連載中の小説で退会するつもりです、別サイトでも読んで頂けるのならさせて下さい (2017年6月6日 17時) (レス) id: b4cf024556 (このIDを非表示/違反報告)
リト - あの、番外編みたいな感じでハッピーエンドにしてくださいませんかっ!? (2017年5月18日 7時) (レス) id: 806e39f599 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス(プロフ) - コメントありがとうございます。本当ですか、!!残念ながらあまり人気のでなかった(苦笑)作品をそう言って頂けて大変光栄に感じております。そうですね、友人にも言われてました(笑)読んで下さり改めて感謝します。よろしければまた違う作品の方もお願い致します (2016年8月25日 15時) (レス) id: 57bc830bd0 (このIDを非表示/違反報告)
＊全松ガール＊ - 文章力がすごいっ！感動してしまいました。なんか一松がかわいそうだけど…まぁ、幸せそうだしよかった！！ (2016年8月25日 15時) (レス) id: 14291d622d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チュロス | 作成日時：2016年5月3日 12時
