ブイロクBUSAIKU!? (ページ47)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:87,724 hit

たまには purple ページ47

最近、友達に勧められてスマホのゲームをやり始めた。
ゲームなんて久しぶりだったけど、やり始めたら止まらなくなった。
今日も雑誌を読んでる博くんを横目にアプリを開く。

ゲームに熱中していたら、背中に温もりを感じた。
博くんだと分かったもののゲームが途中だからスルーする。
あとちょっとでキリのいいところまで来たとき、後ろから思いっきり体重をかけられた。

『ちょっ、博くん重いよ。』

ギリギリでゲームをセーブして、博くんに抗議する。

「だって、A全然こっち見てくれないから。」

背中の重みから開放される。
後ろから聞こえた博くんの声はなんだか拗ねてるみたい。

『博くんがそういうこと言うの珍しいね。』

後ろを見ると、博くんの骨ばった背中がある。

「俺だって、妬いたりするよ？
　A最近ゲームばっかりだし。
　昨日も…。」

博くんのいつもと違う一面に少し嬉しくなる。
話続ける博くんに後ろから抱きつく。

『博くん、もうわかったよ。』

話を遮ったわたしに博くんが少しテンポを遅れて返す。

「…なにを？」

『私が思ってる以上に博くんは私のことが大好きだって。』

「そ、うだけど。」

いつもと違う私に博くんが戸惑ってるのを感じる。

『でも、わたし頭の中はきっと、博くんが思ってる以上に博くんでいっぱいだよ。』

そんな甘いこと滅多に言わないけど、今日だけは言ってもいいかなって思えた。

「A、恥ずかしいよ。」

博くんが笑いながら、でも、少し嬉しそう。

『えー、たまにはいいじゃん。』

そう、たまには、胃もたれするくらい甘いセリフを。