ブイロクBUSAIKU!? (ページ46)

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やきもちの相手 orange ページ46

健くんとデートから帰ってきて、ゆったりタイム。
健くんは久々の遠出に疲れたみたいで、うとうとしてる。

その間に私は今日のデートの写真をチェックする。
健くんも私も本当に楽しそうな笑顔。
そのままフォルダを遡ってたら、懐かしい写真がいっぱい出てきた。
思わず口角があがっちゃう。
写真に夢中になってると、健くんが隣にきて、寄りかかってきた。

「A。」

健くんの写真を見てにやけてたことがちょっと気まずい。
スマホの電源ボタンを押して、テーブルに置く。

『なに、健くん？』

隣を見ると、伏し目の健くん。

「Aはおれよりスマホなの？」

健くんが下を向いて話す。

『そんなことないよ。』

しっかりと否定したけど、健くんは納得がいかないみたい。

「でも、Aさっきからずっとスマホいじってるよね。
　それって、おれよりスマホのほうが大切ってことじゃないの？」

健くんが上目遣いで私を見つめてくる。
いつもなら目を奪われるところだけど、今日は笑ってしまう。

「なに笑ってんだよ。」

健くんは信じられないって顔をした。

『だって…。』

説明するより見せたほうが早いかなって思って、スマホを手にとる。
画面を健くんに向けて、電源をつければ、健くんの笑顔の写真。
それを見て、健くんが気まずそうに笑った。

「なんだよ、俺かっこ悪いやつじゃん。」

『そんなことないよ。』

本物の健くんが1番に決まってるって言おうとした口は健くんに塞がれた。

ちゅっ

素早く唇を奪われて、あ然としていると、

「写真のおれはこんなことしてくれないもんね。」

健くんが嬉しそうににやって笑った。