ブイロクBUSAIKU!? (ページ32)

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怖いもの blue ページ32

白い世界に、まーくんの後ろ姿を見た。

『まーくん！』

と後ろ姿に向かって叫ぶけど、まーくんには声が届いていないみたい。
まーくんはどんどん離れていく。

『待って、まーくん！』

必死に叫んで、追いかけるけど、追いつけない。
それどころか差は大きく開いていく。
世界が少しずつ暗くなって、暗い闇の中にまーくんは飲まれた。
黒い世界にひとりぼっちになった。

「……おい！…おい！A！」

遠くで声がして、世界が明るくなったのを感じた。
ゆっくり目を開けると、目の前にはまーくんの焦り顔。
その奥にはうちの天井が見えている。

『まーくん、なんで？』

「すごいうなされてたぞ。どうした？」

そこで、今までのは夢だったんだって安心した。

『怖い夢見た。』

「どんな？」

『えーっと。』

まーくんがいなくなった夢なんて、恥ずかしくて言えないから、困っていると、

「Aが怖がるなんて珍しいよな。」

って、言われる。
確かに、私は幽霊も虫も高いところだって平気だ。

『確かに、私の唯一怖いものかも。』

「え、何？」

そんなこと言えないから、まーくんを抱きしめる。

「は、A？」

何が起こってるのか分からずハテナだらけだろうまーくん。

『まーくん、ずっと一緒にいてね。』

そうすれば、きっと私には怖いものはない。
まーくんは何か察したみたいで、ふっと笑って言った。

「お前がもういいって言っても、ずっと一緒に居てやるよ。」