ブイロクBUSAIKU!? (ページ30)

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嬉しい誤算 red ページ30

朝、いつもより早い時間に目覚ましが鳴って、始まるいつも通りの一日。
今日は少し早く出社しようと思ってる。
いつも私が起きても、隣でぐっすり眠ってる剛は簡単には起きない。
そう思ってるけど、一応気を使って、剛を起こさないようにゆっくり起き上がるけど、

「もう、起きんの？」

隣から掠れた甘い声。
いつもは寝起きが悪い剛が私が起きたことに気づくなんて珍しい。
おまけに私がベッドから出られないように服の裾を掴んでる。

今日の剛はかつてないほど甘々モードみたい。
その甘い誘惑に起きなきゃって言う気が半分になった。
でも、半分になった理性を奮い立たせて剛に言う。

『剛、私起きなきゃ。』

とは言うものの、手を離してって強くは言えない。

「まだ。」

って言った剛は目も満足に開いてない。

たぶん私の理性はまた半分になって、最初の四分の一しかない。
でも、私にだって仕事がある！

『ほんとに仕事に遅刻しちゃうから。』

と言うけど、

「A、行くなよ。」

って剛が上目遣いで私を見てくる。
寝起きで少し潤んでる瞳に何も言えずにいると、腕を引かれた。
私はあっという間に剛の腕の中。

「A、もう少しここにいろよ。」

って言われた私はもう抜け出せない。
私は温もりの中、計画を変更してぎりぎりに出社することに決めた。