ブイロクBUSAIKU!? (ページ23)

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残業 red ページ23

就業時間ギリギリに上司から仕事を頼まれて、残業が決定した。
今日はゆっくりドラマを見る予定だったのに。

とりあえず仕事を進めるけど、周りの人はどんどん帰っていく。
使われていないところの電気が消されていってオフィスは寂しい雰囲気。

「まだ残んの？」

森田先輩に後ろから声を掛けられて、突然のことにびっくりする。

『はい、まだ終わりそうになくて。』

と答えるが、

「ふうん。」

森田先輩は自分から聞いておいて興味なさそうに返事をする。
そして、そのままオフィスから出ていった。

何しに来たか分からない森田先輩に疑問をいだきながらとりあえず仕事を進める。
しばらく経って、やっと仕事が終わった。
周りを見渡すけど、私が最後みたい。
疲れもあってだらだら荷物を片付けて、オフィスを出ようとすると、ドアのところに森田先輩が立っている。

「ん、おつかれ。」

と声を掛けられたけど、

『なんでいるんですか？』

私の記憶では森田先輩はとっくに仕事を終えて帰っているはずだった。

「Aを待ってた。話あったから。」

そう言いながら、森田先輩は体をこっちに向ける。

「好きだ。付き合ってほしい。」

いつも掴みどころのない先輩のまっすぐな告白に心を打たれる。

『私でよければ。』

言うと同時に腕を引かれて、森田先輩の腕の中にいた。

「ずっとこうしたかった。」

耳元で聞こえた声は聞いたことがないくらい甘く響いてた。