ブイロクBUSAIKU!? (ページ21)

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嫉妬する先輩 blue ページ21

「あ、Aちゃん！」

会社を出ようと思ったら、長野先輩に呼び止められた。

「丁度良かった。
　この前のAちゃんのアドバイス凄く助かった。」

そういえば、プレゼンのことで聞かれたんだった。

『良かったです。』

本当に役に立ててよかった。
すると、長野先輩はにっこり笑って、

「それでAちゃんにお礼したいんだけど、今日…」

って言う長野先輩の声を

「A！」

通るいい声が遮った。
この声は、

『坂本先輩？』

なんで下の名前で呼ぶの？
いつもは伊藤って苗字で読んでるのに。

「ちょっとトラブルがあって、来てくれないか。」

珍しく焦ってる坂本先輩。
余程のトラブルなのかな？

『分かりました。
　長野先輩すみません、行きますね。』

と長野先輩に断り、坂本先輩に付いていく。

『トラブルってどんな状況ですか？』

エレベーターに入ったところで坂本先輩に聞くと、

「悪い。実は嘘なんだ。
　長野に嫉妬して、思わず声を掛けてた。」

気まずそうに目を泳がせながら、

「A、好きだ。
　俺と付き合ってくれないか？」

って、ずっと好きだった人からの突然の告白に声が出ない。

こくん

って頷くと、坂本先輩はよかったーって叫んだ。

『そういえば、なんでさっきAって？』

すると、照れながら、

「長野に対抗して」

って笑った。