ブイロクBUSAIKU!? (ページ20)

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夢うつつ purple ページ20

部署の飲み会が終わって、お酒が飲めない長野先輩が車を出してくれることになった。
同じ方面に帰る四人を一人ひとり送っていく。
気がつけば最後の一人が降りて、残ったのは私と長野先輩の二人だった。

先輩との間には特に会話はないけれど、不思議と心地よい空気が流れてる。
これはきっと長野先輩の優しい雰囲気にのまれてるからだ。

私が流れていく町並みが、見慣れた景色に変わっていく。
もうすぐ着くかもって思うけど、酔いもあって、睡魔が襲ってくる。
少しうとうとしていると、頭をくしゃってされて、

「着いたよ。」

って長野先輩の優しい声がした。

「そんな無防備な顔他の人には見せてほしくないな。」

そう言った長野先輩はいつもの柔らかい表情じゃなくて、真剣な顔をしてる。

「初めは可愛い後輩だと思ってた。
　でも、今は違うよ。
　一人の女性としてAに惹かれてる。
　付き合ってくれない？」

全てがふわふわしてて夢のようだった。

『よろしくおねがいします。』

その言葉を聞いて長野先輩はよかったってふわっと笑ったけど、その後のことは覚えてない。
気がついたらリビングでぼーっとしてた。

次の日、長野先輩の笑顔がいつも以上にキラキラしてるのを見て、現実だったんだって実感した。