シフォンケーキ purple ページ14
長く付き合っていれば喧嘩することは何度もある。
でも、博との仲直りには暗黙のルールがある。
それはシフォンケーキを買ってくること。
初めて喧嘩したときに博が買ってきてくれてから、ごめんねの意味を込めて買ってくるのが恒例になっている。
今回もいつものケーキ屋さんに寄って、シフォンケーキを買う。
プレーンにチョコレート、いちごに抹茶、他にも沢山の味がある。
迷ったけど、今日は大好物の紅茶のシフォンケーキに決めた。
最近仕事が忙しいみたいだから、きっと今日も帰りは遅いと思う。
合鍵で博の家に入って、リビングで博が帰ってくるのを待つ。
シフォンケーキはテーブルに置いて、ソファに座る。
なんか眠くなってきたかも。
しばらくうとうとしていると、がちゃっとドアが開く音がした。
「あ、かぶっちゃった?」
博の手にはいつものケーキ屋さんの袋。
『紅茶?』
まさか味までかぶらないかなって思ったけど、
「うん、紅茶にした。
合っちゃったね。」
って博は笑ってる。
『博、』
「『昨日はごめんなさい。』」
謝るタイミングまで合っちゃって、思わず目を見合わせて笑う。
長く一緒にいるから、考えることが似てきたのかな。
「とりあえず、シフォンケーキ食べよっか。」
『うん。飲み物どーする?』
と聞くと、博がにこって微笑んだ。
私の気分はもう決まってる。
「『ミルクティー。』」
信じられないくらいぴったりな私たち。
これからも長く一緒にいたら、もっともっと似てくるかなと考えるだけで、すごく幸せ。
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なるちゃん(プロフ) - おもしろかった! (2017年12月13日 8時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momo | 作成日時:2017年8月22日 16時