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チャイムが4限目の終わりを告げる。
先生が教室を出るのと同時に聞こえてくる話し声。














「A、今日一緒にご飯食べん?」












文房具をしまっていると、机に落ちる影。
その正体は親友の遠山遥だった。












「いいけど、彼氏さんはどーしたん?」



「今絶賛喧嘩中ー。」



「遥たちでも喧嘩するんやなぁ。」



「付き合ったら付き合ったで大変よ。笑」














バド部のエースの遥はバスケ部のキャプテンの先輩と、2週間程前に付き合った。
温厚で頭脳明晰、運動神経も抜群な彼氏と明るくて人当たりも良く、バド部のエースの名を
背負う遥は誰から見てもお似合いで、ビッグカップルの誕生だと校内を騒がせた。

お弁当を片手に空き教室に向かう。
















「ね、A?」



「ん?」



「ずーっと前から気になっとったんやけど、向井くんと付き合っとるん?」



「んんっ゛」



「やっぱり付き合っとるん!?2人めっちゃ仲ええよなぁ!」















空き教室に入り、扉を閉めた途端、ずっと聞きたくてうずうずしてました、と言わん
ばかりの顔で詰め寄ってくる。














「ち、違うよ?康二はそーゆうんじゃ、」



「えー、あんなに距離近いのにー?」



「康二はあくまで幼馴染、やからね?ずーっと。」














「幼馴染」を少し強調すると、納得できない、と言いたげな表情を浮かべる。














「…付き合ってないなら、まぁ、わかった。でも、Aは好きなんやない?
向井くんのこと。」



「…どーやろうなぁ?」



「もー、はぐらかさんといて!!」



「んふ、教えへんー!それより、早よ食べんと昼休み終わるで?」



「うわ、ほんま、あと20分しかない!」


















また、自分の気持ちに嘘をついた。








3→←橙の彼



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作者名:もも | 作成日時:2024年3月14日 13時

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