今日も上手に笑えました。

全ての謎を解け ページ3

清春side

最近俺は、記憶を少しずつ取り戻してきた。

笑えねェ話ばっかでパニックになりそうだ。が、いつもあいつが傍にいるから落ち着く。

あいつもあいつで秘密があるのだろう。

兄貴のことや病気のこと、変わった技とか。




瀬名には二つ口癖がある。

ヒーローもののセリフ“どんな輩でも構わねェ。かかってこい！”

それと誰に対して言ってるのか、“今日も上手に笑えました。”


後者の言葉はきっと自分に言ってるのか。

要するに、兄貴が亡くなってからは笑わなくなったのかもしれない。


清春「瀬名、開けんぞ。起きてるか？」

俺はコンセントを押して彼女の部屋の壁を開ける。


『邪魔しないでくれる？今犯人が誰か見つけた所なんだ。何か重要なことでも？』

ちとムカつくが、これが瀬名Aだ。ヒーロー探偵の漫画を読んでいた。

清春「別に何もない」


『僕はミステリーものが好きだ。知らないものがあると妙に知りたくなる。

僕の推理を聞いてくれないか？きっとまた新しい記憶が戻ってきたんだろう。

それを僕に知らせにきた。漫画はまた後ででいい。教えてくれ』


清春「ああ、ビンゴだ。ついでにお前の口癖のことも教えてくれないか？」

『口癖？何のことだい？…あ、どんな輩でも構わねェのやつ？

それはガルムフェニックスn((清春「ちげーよ。お前毎日寝る前、“今日も上手に笑えました。”

って言ってるだろ。その意味が知りたいんだよ」


『………一颯がよく言ってた。黄昏てるときに気持ちがうろうろしてた頃だ。

明日も笑えるように、辛くても笑顔が一番だって言ってた』

あんましっくりこねーが、



清春「んじゃ、頼む」


瀬名は俺の頭に両手で触れる。

『全ての記憶が戻ってきたんだね。真犯人、ガスマスクの男に会いに行くんだろう？

その前に南武さんに会いに行った方がいいと思うよ？』

清春「もう電話した」

『どうやら君の方が一枚上手だったか笑

なら、新薬とやらを使った姿をマインドボイスに拡散したまえ。使うんだろ？』


清春「まーな。俺が考えてることはお見通しって訳か」

『伊達に一緒にいることではないからね。マインドボイスは咲良ちゃんにお願いするといい。

僕が咲良ちゃんと克喜を連れて行く。真犯人も勝手についてくるんだろ？』


こいつは何者なんだよ。

僕から。→←やりたいこと全部やっちゃえばいい。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す