【wrwrd】来世で再会する約束したけどさぁ、乙女ゲーの世界で再会はナイでしょ！II

眠り姫？....いや、私がそんな可愛い筈がない！　1話 ページ1

夢主視点



右腕と横腹の辺りに、心地よい体温を感じる



なんだろう？



何故か重たい瞼を開いてその正体を確認する




そこには黒い塊があった



え、なにこの塊



もう少し詳しく見ようと思い起き上がる



ギシリ、とベッドが軋む



起き上がるだけでも大分体力消耗したぞ？




なんでこんなに疲れる？



一晩の間になにがあったんだ




そして、先程の黒い塊に視線を移す



どうやら、塊だと思っていたモノは人だった



しかも、見覚えのある人物



『えっっと？何故貴方がここにいる？』






＿＿＿トントン






その時、モゾモゾと動き出した




反射で肩が揺れる



あ、もしかしてこれ寝てた方が良い？



そう考え、元の体制に戻る



幸いトントンは気付かなかったようだ



目を閉じているから詳しい事は分からない



それでも慌てているのは分かる



トン「うぇ！？俺いつの間に寝てたん！？」




会うのは初めてではないが、前世から変わらない落ち着く声に安堵を覚えた



まぁ笑いそうにもなったけど
　 ↑失礼



私はこの場をやり過ごそうと必死だった



トン「A.....」



切なそうな声を出し、私の頬に触れる



少しゴツゴツとした手の体温は私より高い



トントンと触れ合うのが久しぶりで、なんだか
泣きそうだった




まぁトントンは女の人が苦手だから、あんまり触った事ないけど



＿＿＿その時だった





トン「.....！？っ、あたた、かい？」



.......はい？



え、なんで体温でそんなに驚くんですかね？



瞼は閉じているが、頭の中は？マークだらけだ







ガチャッ



自室の扉が開く音がした



オス「トントン〜？抜け駆けは駄目だよ？」


ひと「....なにしてんの？」




聞きなれた声は無視して、眠る演技に集中する




トン「あ、いや、その、」




扉の方から気配が迫ってくるのと同時に、
絶対零度の空気が接近してくる




こっっっわ



そう思うしかなかった

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