【wrwrd】来世で再会する約束したけどさぁ、乙女ゲーの世界で再会はナイでしょ！

皆の為に、と願ったあの子　27話 ページ29

ペ神side



オス「...ペ神はなんでアイツの味方をする？」


皆が驚いていた



ロゼリアもだ


は？



なんで俺が味方だと思ったの？



そんな訳ないじゃん





「君達には関係ないよ。少なくとも"今"の君達には」



今、という言葉を強調した



オス「なんで、ロゼの味方をしない？」



オスマンが糸目を開き尋ねてくる



「いや、逆に聞くけど勝手に味方認定しないでよ」



医療道具を片付けながら言う



ひと「っでも、どう見ても被害者はロゼでしょ！？」







「.....悪いけど、急ぎの用事なんだ」


ひとらんの言葉を無視する



このままじゃ埒が明かない



そう思い無理矢理皆を外に出して、保健室の戸締りをした



トン「ペ神！質問に答えろ！」



トントンが胸ぐらを掴んでくる


質問に答えろ？


だったら全部言ってやる



「あの子の事を知らないくせに！」



気づけば大声をあげていた



周りはびっくりしている



「あの子がどんな風に君達を思っているか分かる？」



いつも彼女は自分の為だけでなく、皆が幸せな
人生を送れるようにと願っていた



その為に、自分を犠牲にしようとも考えていた



「少なくとも君達の事を一番に考えていた！
今も、昔も！」




(しまった)



少しではあるが、口を滑らせてしまった



「っごめん、忘れて」




幸い皆は俺を追ってこなかった





小走りで生徒会室へと向かう






〜生徒会室にて〜



「A！」


バン、と乱暴に扉を開ける



部屋の中には倒れた彼女が居た



「A！どうしたの！？」



慌てて駆け寄る



彼女の傍には血塗れたナイフがあった




「A、A！」



肩を揺さぶるが、瞼を閉じたまま動かない




(なんで、起きないの？)



じわりと視界が何かで滲む



そこでようやく気付いた



(眠っている？)




口元に耳を近付けると、規則正しい呼吸が聞こえる




「びっ、くりした....」




医者なのに早とちりをしてしまった自分が恥ずかしい



(とりあえず屋敷まで運ぶか)




Aを抱き上げる


所謂お姫様抱っこだ


「軽っ！」



思ったより軽かったAに動揺を隠せなかった

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