8話 ページ9
結局、モトキが拗ねちゃうのを防ぐために、ザカオの意見はまた今度にして、クルクルに巻くことにした。
でもやっぱり、「俺が先だよ発言」はかなり恥ずかしかったのか、モトキは帽子で常に顔を隠して、クッションに埋もれてた。
でも耳が赤いのが丸見えだったから全然意味ない。
たまにシルクとかダーマがからかい混じりに「俺が先!」って言ったせいで余計恥ずかしそうにしてた。
そんなこんなでまぁ全体的には巻き終わった。
しかしここで難関が登場。
後ろの方は慣れてないからなかなか上手くいかない。
そもそも髪の毛を巻くなんて高度なオシャレテクニックを私ができるはずもなく何度も手の甲が火傷しそうになる危機があった。
ウ「あーもう!自分の髪だけどこれどうなってんの?ガチでむずい。…アッヅ!」
自分の不器用さにイライラし始めていると手元が狂い、とうとう本当に左小指を火傷した。
そこそこ痛みがあったので、フーフーしていたらモトキがムクリと起き出した。
そろそろ撮影部屋に移動するのかな?と思ったら、モゾモゾと動きながら私の後ろへ移動して、右手を後ろからニュルっと差し出してきた。
モ「ん、借して、やったげる。」
ウ「え、出来んの?私より女子じゃん。」
モ「後ろ側をクルクルさせればいいんでしょ?」
ウ「そそ。あ、火傷はしないでね?それ180℃だから。」
モ「えっ、あっつ。髪の毛燃えてなくならない?」
想像以上の高温にちょっとびっくりしているけど、普通に初めてとは思えないくらいの手つきでカールするモトキ。
おいまて、私よりも本当に女子発揮すんなよ。
ただでさえ女子っぽくないのに。
しかしモトキの女子力発揮は止まらず、ものの2分ほどで「んー出来たと思うけど、どう?」と声がかかった。
しかもちゃんと出来てるし可愛い。
ウ「なんか文句言ってやろうと思ったけど非の打ち所無さすぎてなんも言えんわ。」
モ「そりゃよかった。そろそろ撮影部屋行こ。」
ウ「あ、うん。電源切るから待って。」
ピッと音を立てて電源は切れ、気持ちよく勝ったであろうダーマも一緒に撮影部屋へ移動した。
今日はどんな撮影をするのかは、実は教えて貰っていない。
家で出来ることだし…モヤモヤかくれんぼ?テンション0.100%?久しぶりにナンジャモンジャとか?笑
やっぱり
29人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ますもも | 作成日時:2023年3月12日 23時