32話 ページ33
医者「酷く痛む場所や、気分障害…吐き気や目眩などはありませんか?」
ウ「はい。特にないです。」
医者「心臓の音聞きますね。」
テキパキと診察を済ませていく医者は、聴診器で音を聞いたあと、「うん」と言ってカルテに何かを書き込み始めた。
医者「いや、すごい驚いているんですが、特に異常はないようです。お腹の傷は縫っているので違和感があるのは当然として、頭痛も吐き気もないとは正直驚きです。」
ウ「え、異常ないんですか、?」
はい、と驚きながら返事をする医者に俺たちは空いた口が塞がらない。
ちょっと待ってくれよ。
さっきまであんなに青ざめて眠ってたくせに今はお腹すきましたって顔してる。
しかも何で異常ないことにちょっとショック受けてるの。
いい事でしょうに。
医者「すごい回復力なんですね。この調子なら、早くて2週間…遅くても1ヶ月ほどで退院できるでしょう。」
ウ「え、1ヶ月…長いな…」
モ「いや早すぎるくらいだよ。」
お腹を刺されて救急車で運ばれて、緊急手術して数十分で目を覚ますっておかしいからね。
せめて何時間か寝てなさいよ。
普通なら何日も目を覚まさないでしょ。
なんで1時間も寝ないで起きてるの。
いやいいけどさ。
嬉しいしめでたいけどさ。
回復力がナルトやルフィなんだけど。
モ「ねぇほんとに何ともないの?」
ウ「うん。なんならお腹すいたからラーメンとか食べたい。」
シ「死ぬぞ。」
ウ「だよね。」
あまりにもいつも通りのAに驚きが隠せない。
正直目が覚めた時感動や嬉しさでお涙止まらない展開かと思ってたんだけど。
俺の幼馴染ってすごいんだね。
とりあえず、体調面に問題は無いらしいから、しばらく安静にするという方向で話はまとまった。
しかし、ここで新たに問題が発生した。
シ「言うべきだって。また同じこと起きたらどうすんだよ。完全に犯罪だぞ?お前殺されかけたのに。」
ウ「だからこそだよ。結果的に今こうしてピンピンしてるんだからわざわざ心配かけるようなこと言わなくていいって。」
シ「言うべきだ。」
ウ「言わない!」
モ「も〜、夜遅いんだからあんまり大きい声出さないの。」
そう、Aがリスナーに襲われたことを動画にして報告するか否かでシルクとAが揉めだしたのだ。
個人的には報告はした方がいいと思う。
これから暫くはどうせ活動は出来ないし、そんな長い期間動画に出なかったらウオタミのみんなも絶対怪しむし不安になる。
だったら先に活動休止しますってことだけでも伝えた方が良いんだろうけど。
ウ「絶対いや!」
なぜかすごい嫌がるんだよね。
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年3月12日 23時