Fischer's・ウノ (ページ24)

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23話ページ24

物音を立てないようにそっとスコープに近づく。

そして、もう少しで外が見えそうになった時…

モ「ウノ！」

後ろから腕を引かれて、寸前のところでスコープから離れた。

モ「もー、リビング来ないから何してんのかと思ったら…。」

ウ「え、なんで」

少し強く引かれたせいでひっくり返りそうになるけど、すかさずモトキが抱え込んでくれたので普通に無事。

モトキは小さな声で私の耳元に囁いた。

モ「スコープ覗いちゃダメ。光が途切れるから見てるのが向こうにバレちゃうよ？」

ウ「え分かってたの？」

モ「そりゃ気付くよ。やたら着いてくるし見た事ないのにマンション入ってくるしウノさっきビクッってしてたし。最初から俺も変だなとは思ってたからさ。」

怖かったね、とりあえず今は音立てないようにしてシルクに報告しよっか。

私から恐怖を取り除くために幼稚園児に話しかけるみたいに優しい声色のモトキに少し泣きそうになった。

ほんとにストーカーとか押しかけとかってあるんだなって怖さをやっと実感した。

シルクが酷めのファンのストーカーに悩まされてた時はあったけど、もちろん私が体験したわけじゃなかったから凄い不安だったり大変だったって強く感じることは無かった。

だって私のストーカーじゃなかったから。

だけど今回は少なからず2分の1の確率で私のストーカー。

もちろんモトキの熱狂的なファンの可能性だってあるしなんなら多分そっちの方が可能性としては高い。

でも仮にモトキのストーカーだったとしても家バレてる=私の家もバレてるし一緒にいる時間が長かったせいで変に私に恨み持ってる可能性だって普通にある。

なにがあってもモトキが怪我とか負わないように私が守らないといけない。

大丈夫。

きっと何事も無かったかのようにすぐ解決する。

大丈夫だよ。