検索窓
今日:2 hit、昨日:42 hit、合計:8,400 hit

20話 ページ21

チーン

目的階に到着したというお知らせがベルの音で鳴る。

あとから乗ってきた男の人も、モトが押してた8階のボタン以外を押さなかったから、同じ階で降りるみたいだった。

それなりの常識はあるので、ドアが開いても降りずに「開」ボタンを押し続け、「お先にどうぞ」という雰囲気を出した。

でも、男の人は一向に降りる気配がない。

全然1mmも動かない。

いや降りてくれないと私たちも降りれないんだけどな。

もしかしてこの階じゃない?間違えた?


ウ「えっ…と?ど、どうぞ?」


とりあえずもしかしたら意図が伝わってないのかもしれないと思い、声をかけてみた。

けれど。


?「………。」


無視かいな。

へーそうですか無視ですか!?

いやまぁ最後に降りたいなら別にいいけどさ?

せめてなんか一言くらい言ってよ!?

声出したくないなら首振るとかさ!

大丈夫です、お先にどうぞって思ってくれてるなら会釈するとかさ!

コミュニケーション大事よほんと!!


モ「………A、先に行かせてもらおうか。」

ウ「え、あ、うん。」

モ「ありがとうございます。」

?「……………いえ。」


え喋った!!!

なんだよ、モトに話しかけられたら喋るんかい!!

私のこと嫌だったのかな。

別に刺のある言い方してないと思うけど…。

まぁいいや、気にしてもしょうがないし。

一応感謝してますよ、ってアピールするために軽く会釈をして先にエレベーターから出る。

後を追うようにモトも降りて、そのまま真っ直ぐ廊下を歩く。

後ろからウィーンという機械音がしたので、エレベーターが閉まったのかな。

あの男の人も降りたんだろう。

私とモトの家は隣で、エレベーターに近いのはモトの方。

801〜810号室まである部屋の、808がモト、809が私だ。

810号室は、前まで40代くらいのよく話しかけてくれる気さくな女の人が住んでたけど、3ヶ月前くらいにお仕事の関係で引っ越された。

つまり今は空き家なので、私がこの階で1番奥に住んでるということになる。

なるんだけど……。

あれ、なんであの男の人807号室に入らないの?

まるで、まるで………



























808以降の部屋に用事があるみたい。

21話→←19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:フィッシャーズ , モトキ , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ますもも | 作成日時:2023年3月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。