2話 ページ3
ウ「ちょ、まって…え?アラームは?」
安心してください、しっかり鳴ってました。
ウ「は、ふざけんなまじ絶対壊れてるからこの携帯」
物に当たるのは辞めましょう。
ドタバタと音を立てながら着替え始めるけれど、とりあえずはメンバーの誰かに連絡するべきだと思いSiriに声をかける。
ウ「ん”ん”!Siri〜!モトキに電話して!」
寝起きで出にくい声を何とか絞り出しリビングから寝室に置いてきた携帯に指示を出す。
微かに「ーー、ートキに電話をかけます。」と聞こえたので、今はコール中だろう。
モトキは基本的に電話に出るのが早い。
たいてい電話をかける時は私が困った時である事を分かっているからだと思う。
しっかり者の幼馴染はこういう時にとっても役立つ。
モ『あもしもし?おーい。あれ、電波悪い?もしもーし!』
リビングと寝室ではやはり距離があり、叫びながら会話をするのは効率的では無いので、カーディガンに腕を通しながら寝室に駆け込み電話の対応をする。
ウ「あ、モト!?ごめん、マジで寝坊した本気でごめん!とりあえず5分…いや、3分で行くからちょい待てる!?」
やっぱり寝坊だww
俺の読みあってたじゃんww
何やら賑やかな声が聞こえるが、それどころでは無い。
申し訳なさと自分への不甲斐なさで泣いちゃいそうだ。
モ『大丈夫?熱とかじゃない?』
ウ「うん、普通にただの寝坊。尚更申し訳ねぇ…」
ウノらしいじゃんw
焦って転びそうw
確かにww
責める言葉を何一つかけられないことへの感謝を込めて携帯を持って洗面台へ移動して歯磨きをする。
ウ「とりあえず、爆速でシルクん家向かうから!まじでほんとにごめん!!!」
モ『みんなまだ眠たくて動画撮る気になってないから焦んなくてもいいよ。それで怪我されてもやだし。』
ウ「いや、さすがにそれは申し訳ないからダッシュで行く。なんかいる物ある?」
なんかいるっけ?
俺お茶欲しい。
俺水欲しい。
水道水飲んどけw
は?
またもやなにやら聞こえるが口の中を高速移動しているブラシの音でよく聞こえない。
モ『あれ、今歯磨き中?え、なんかすごい音するんだけど。大丈夫?血出ちゃうから優しくね?』
ウ「わはっへふ!」(分かってる)
モ『なんて?』
ウ「わひゃっへふっへいっはほ!」(わかってるって言ったの)
モ『は??』
これは聞き取れてなさそうです。
29人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ますもも | 作成日時:2023年3月12日 23時