お兄ちゃんと妹【白布賢二郎】

お兄ちゃんと思い出の品 ページ50

　
　
　
　
「ほんと！？ほんとに見せてくれるの！？」




「嘘じゃない！？ほんとに嘘じゃない！？」




「わかった、わかったから。ちょっと落ち着きなさいって」




「早く持ってきて！」




「早くみせて！」






リビングで興奮する双子を残して




自分の部屋にあるものを取りに行く




本当なら砕いて割って粉々にして




すぐにでも捨ててしまいたい物




小説や参考書が入ってる本棚の下にある




少し小さい扉付きの小物入れ




中を開けば




履き慣れたバレーシューズ




スポドリを入れていたスクイクボトル




いつも付けていた膝用のサポーター




シューズを入れていたケース




これらを全部入れていたエナメルバッグ




もう使わないと決めたのに




やっぱり捨てきれなくて




結局こうして取ってある




それらを全部どかせば見えてくる




自然と顔がこばわる一枚のDVD




力を入れすぎないように




右手に握り部屋を出た
　
　
　
　
　

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