お兄ちゃんとはんぶんこ ページ37
「ん、おまたせ」
「おっそい」
「ごめんって」
チョコが思っていたよりも大きく
ジュースもキャンペーンで増量中だったせいか
店員さんがくれたレジ袋は大きくて
スーパー帰りのようだ
ガサガサと音を立てながらピパコを取り出して
半分に切り分けて兄の目の前に差し出した
「ん」
「……この寒い中アイスかよ」
「文句言うならあげないよ」
「いらないなんて言ってないだろ」
口ではトゲドゲしいけど
アイスを受け取る手つきは優しくて
昔は切り取るのも蓋を外すのも
全部賢二郎に任せていたことを思い出す
今では弟たちが切り分けられなかったアイスを
代わりに開けてあげるほどだ
「……こんな味だったっけ?」
「なんか甘くなったね」
「前の方が美味かったな」
「そう?私はこっちの方が食べやすくて好きだけど」
「子供舌だもんな」
「なんでそうなるの」
喧嘩腰でもないただ純粋な楽しい会話
兄との会話がこんなにも気分が晴れるものだなんて
私は知らなかった
今なら少しだけ
なんにでも前向きに挑戦できそうだった
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時