妹と未知 ページ32
1年前まで通っていた通学路を歩いて
豊黒中学校と書かれた正門をくぐる
白鳥沢に合格した俺は
先生たちからよく覚えられているため
顔パスで中に入れる
事務室からスリッパを借りて
アイツのクラスである3-2の教室に向かった
去年の自分と同じく教室だったため
迷うことなくたどり着けた
3階にある教室は登るのが少しめんどくさかったなと
懐かしい気持ちになる
「でも、俺は逆に白布みたいな妹が欲しいわ」
廊下の階段の踊り場まで聞こえてくる大きな声
一人称からしても男だろうか
自分の妹が他の男に欲されている
自分の兄弟と他人の兄弟を交換したがるなんて
学生にはよくある話で
別に気になる必要ないのに
俺の足は床に張り付いてピタリと止まった
まるでAの返答を待つかのように
「え、なんで私?」
「ん?だって自慢になるだろ。」
「自慢?」
「勉強できて、運動できて、友達も多くて、先生からも頼りにされてる優等生」
「そんなのが俺の妹とか、兄として鼻が高いわ」
「……そ、かな、」
知らなかった
アイツ頭良かったのか
運動ってバレーのことだけじゃないのか
友達作るの下手そうなのに多いのか
先生からも一目置かれてるのか
俺の記憶の中の妹は
おにいちゃん、おにいちゃんと後ろを着いてきて
痛い時や怖い時は泣きながら
楽しい時や嬉しい時は笑いながら
いつも俺の事を考えて動いてるような子だった
ここ最近の妹も
勉強に疲れているか、俺と喧嘩したせいかで
女子にしては怖い顔をして怒るだけ
学校での様子なんて
俺の知らないところの様子なんて
知るわけなかった
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時