妹と焦り ページ31
賢二郎side
珍しく監督が放課後に用事があったのと
雨が酷かったせいで部活は中止になった
突然のオフに驚いたけど
休めるのは素直に嬉しくて
遊びに行こうと誘ってくる部活仲間を置き去りにして
そそくさと家に帰った
少し濡れながらたどり着いた家は
母さんの料理の姿も
父さんのテレビを見る姿もなくて新鮮だった
でも玄関には泥まみれになった運動靴が
あちらこちらに散らばっていて
誰のものかなんてすぐ分かった
どうせ、久しぶりにアイツと一緒に
バレーができるのが嬉しくて
雨なのも構わず走って帰ってきたのだろう
あの双子はやたらと妹とのバレーを好む
なのに
そこには勉強している妹の姿はなかった
ずぶ濡れになった体を洗うために
風呂に入っていた弟たちに聞いても
まだ帰ってきてないという
アイツは昔から晴れの日でも
折り畳み傘をカバンに入れているから
帰ってきてないのはおかしい
無断で買い物に出かけているのかと思い
何故か焦り気味にLINEを開いた
賢二郎Aどこに行ったか知ってる?
兄貴知らないよ
もしかしてまだ帰ってない?
賢二郎春樹たちは帰ってるけど
Aだけいない
兄貴まじか
ごめんわかんないわ
賢二郎わかった
仲が悪いとはいえ自分の妹だ
いなかったら心配くらいする
母さんにもLINEしようかと指を滑らせていると
夏樹が玄関から叫んだ
「けんじろにーちゃーん！ねーちゃん傘忘れてる！」
「はぁ？あいつ天気予報見てたよな」
「母さんに持ってけって言われてたよ」
「忘れてったってことか」
でもアイツはカバンの横のポケットに
折り畳み傘を入れていたはず
ならなぜ帰ってこないのか
「春樹、折り畳み傘そこにある？」
「ねーちゃんのならあるよ」
「…全部忘れてんのか、あいつ」
まぁ、これでほぼ解決した
おそらく学校で雨宿りでもしてるんだろう
天気予報によると雨は強くなる一方らしいし
放っておけばいつまで経っても帰ってこない
そうなればこの双子がめんどくさい
気がつけば俺は
アイツのパーカーと傘と自分の傘を持って
懐かしい通学路を歩いていた
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (
レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ますもも | 作成日時：2023年10月22日 3時
