お兄ちゃんとお迎え ページ30
「あーーー!!」
「……結構残ってんじゃん」
「…けん、じろ?」
白鳥沢の制服と
特有の前髪をを少し濡らして
傘を2本持った兄がそこにいた
ぺたぺたと近づく足音の正体は
学校の来客用スリッパを履いた兄の足音だった
「…えっ、誰あのイケメン…っ!」
「カッコイイ…」
「あの制服って白鳥沢!?」
「え、お前誰だか知ってんの!?」
「ほら、さっき話してたAのお兄さんだよ。」
「こんなイケメンなの!?」
「つかお前もっと驚けよ!?」
「だってグラウンドから歩いてくるところ見えたんだもん」
みんなが突然の訪問者に驚いていて
口々に思ったことを素直に吐き出している
かくいう私もそのうちの一人で
いつもなら暑苦しいほどに
部活に打ち込んでいるはずの兄の姿に混乱していた
落書きしていた友達がやけにニヤニヤしていたのは
この人が来ていたからだったのか
「なん……で、学校は…?部活は……!?」
「雨ひどいから無くなった。つーか傘忘れたなら連絡入れろよ。春樹たち待ちくたびれてるぞ」
突然現れた人が
突然クラスメイトに話しかけるものだから
みんなはもちろん混乱している
落書きしていた友達は賢二郎の顔を知っているので
大して驚いてないけど
「こ、これが白布の兄ちゃん……なんか、似てる」
「めっちゃイケメン!!」
「背たっか!?何センチだよ!?」
「……早く荷物まとめろ。帰るぞ」
「え、あ、うん」
元々帰る準備は出来ていたので
カバンを抱えてあとは帰るだけだ
友達は既にまたねという顔をしている
「……なんのつもり?」
「なにがだよ」
「わざわざ迎えに来るなんて」
「春樹たちがうるさかったから。それだけ」
「……ふーん」
まだ残り続けるであろう友達に挨拶をして
風邪ひかないようにねと笑顔で別れた
「あぁそうだ。」
「なに?」
ドアを閉じかけていた手を止めて
クラスの男子を冷めた目で見る
喧嘩した時の目だったから
何かやらかしたのかと少し怖くなった
けど賢二郎が何を言ったのかは
雨の音にかき消されて聞こえなかった
__” ”。
140人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時