お兄ちゃんと停電 ページ28
「でも、俺は逆に白布みたいな妹が欲しいわ」
「え、なんで私?」
「ん?だって自慢になるだろ。」
「自慢?」
「勉強できて、運動できて、友達も多くて、先生からも頼りにされてる優等生」
そんなのが俺の妹とか、兄として鼻が高いわ
廊下に響き渡るほど大きい声で
クラスメイトの男の子は言った
私はそんなにいい子じゃないのに
周りはそんなふうに評価してくれていたのか
頭がいいだとか
運動できるだとか
友達が多いだとか
先生から頼りにされてるだとか
そんなことはどうでも良くて
ただひたすらに
私という人を知ろうとしてくれた事が
何より嬉しかった
ありがとう、と口にしようとしたその時
一瞬教室の電気が点滅した
そしてその数秒後
ピシャアアアッ!!!
「うわっ!」
「きゃぁ!」
「な、なんだ!?」
「ひっ!」
かなり近くで雷が落ちたらしく
学校全体が暗闇に包まれた
怖いものが得意では無い
即ち、暗いのも得意では無い
昔は電気をつけていないと
眠れないくらいだった
そんな私が突然の暗闇なんて
耐えられる訳もなく
「……っ、けん、じろ…っ」
気が付いたら兄の名前を呼んでいた
こんな所に、いるはずもないのに
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時