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お兄ちゃんと交換 ページ27

 
 
 
 
「誰かって…誰?」




「さぁ…?でも不審者じゃなかったよ」




「なんで言い切れるのよ」




「私の知ってる人だから」




「誰なのか知ってるんじゃん。教えてよ」




「ふふっ、だーめ」






やたらニコニコとしている彼女は




背景の薄暗い空と強い雨が重なって




少し不気味だ




まだこの教室にはチラホラと




雨宿りしている生徒がいるのに




彼女はまるで




止まないでくれと祈ってるみたいだった




誰だったのか気になっていたら




話題に尽きたクラスメイトが話を振る






「そういえばAちゃんってお兄さんいるんでしょ?」




「え、あ、うん」




「私のところはお姉ちゃんと妹だから、お兄ちゃんいるの羨ましいなぁ」




「白布のお兄さん2人ともかっこいいよな」




「へぇー、2人もいるんだ。いいなぁ!」




「そ、そうかな」






兄さんは私に興味があるようで実は無いし




妹に優しくしてる自分が好きなだけだし




本当は私より賢二郎の方が好きなの知ってる




賢二郎もいつも文句ばかり言ってきて喧嘩するし




一言多くて意地悪だし




行動も視線も全部冷たいし




全ての言い方に棘あって口が悪すぎるし




全然いい所なんてないけど




周りから見たらいいお兄ちゃんなのだろうか






「ひとつ上のお兄さんとかカッコイイよね!バレーしてる時とか特に!」




「…カッコイイ?賢二郎が?」






初めて聞いた訳では無いけれど




周りの人が自分の兄のことを




カッコイイ、イケメンだと褒めるのは




共感できないせいで複雑だった






「…ごめん、どこが?」




「冷静だけど、点取れたら笑顔になるところとかギャップってやつだよ!」




「…そんなの考えたこと無かった」




「いいなぁ、Aちゃん。私と交換して欲しい」






交換…か




自分の兄が他の人の兄になり




他の人の兄姉が自分の兄姉になる




もし本当に交換出来たら




賢二郎との多すぎる喧嘩も




衝突も全部なくなって




昔みたいな仲良しに戻れるのだろうか




私には見せなくなったあの優しい顔を




他の子には容易く見せるようになると思うと




なぜだか心がチクついた
 
 
 
 
 

お兄ちゃんと停電→←お兄ちゃんと落書き



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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時

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