お兄ちゃんと忘れ物 ページ25
あの後
弟たちは直ぐに学校に向かってくれた
賢二郎も今日は自転車じゃないから、と
朝練でもないのに早めに家を出た
仕事が休みの兄さんと
家事をしてるお母さんの間にいるのは
なんだか居心地が悪くて
私も日直だからと嘘をついて家を出た
バタバタと家を出てきたおかげで
持っていけと言われていたのに
私の手には傘なんて握られていなかった
夕方から強くなる雨の話なんて頭から抜けていて
忘れ物に気がついたのは
弟たちと約束してしまったバレーボールの憂鬱さが
最大となる放課後だった
この雨では公園はおろか
庭すら使えない
バレーをしなくてもいいかもしれないと思うと
嫌いなはずの雨も少しだけありがたく思えた
…とはいえこれじゃまず帰れないな
どうしようかと頭を悩ませては
指先は冷たくなっていった
9月の雨はやはり冷える
走って帰れる程度に雨が止みますようにと願った
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時