お兄ちゃんと妹【白布賢二郎】 (ページ23)

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お兄ちゃんと激怒ページ23

　
　
　
　
せめてもの反抗心なのか

2人とも「食ったな？」という

賢二郎の問いかけを無視して

半泣きのまま歯磨きとトイレに消えた

けれどもちろんうちの兄は

許してくれる訳もなく

「お前らいい加減にしろよ。」

ブチ切れていた

私からしたらそこまで

怒ることでもないと思うのだけど

何故か賢二郎はぷんぷんと怒っている

「おやつはまだしもなんで人の夜ご飯まで食うの？
お前たちも充分食べたよな？」

「…誰もたべない分かと思ったんだもん」

「明日の朝に食べる分ならいいかと思ったんだもん」

「夜ご飯食べないとか体調不良に繋がるだろ。
なんで分かんねぇの」

ご飯を食べていないだけで

こんなに怒ってくれるとは思わなくて

少しだけ嬉しいと思うのは

いつも冷たくされすぎているせいだ

けれど夜ご飯については別に怒っていない

寝てた私が悪いんだし

「ねぇ、私別に夜ご飯は怒ってないんだけど。
寝てた私も悪いしそれに……」

「お前は黙ってろ。どうせ甘やかすだろ」

「……別に甘やかしてないし」

よく喧嘩するとはいえやはり兄だ

勝てた回数の方が少ない

おかげで鋭く睨まれると怯んでしまう

弟たちは兄からの視線に怖がって

驚く程に元気がない

いつもあんなにギャーギャーとうるさいのに

私の分のご飯を食べたというのは

私が考えていたよりも良くないことらしく

珍しくお母さんまで怒ってた

1ヶ月もの間おやつ抜きだそうだ

でも春樹たちも

悪い事をしたと自覚があるのか

嫌だとは言わずに素直に受け入れていた

私は別に怒ってないし

夜ご飯抜いたくらいじゃ何ともないのに

みんながどうしてそこまで怒るのか

私には分からなかった

兄さんがボソッと呟いた

｢これ以上細くなったら心配過ぎて兄ちゃん仕事戻れない｣

という言葉と関係があるのだろうか
　
　
　
　
　